Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第209回
邱家における相続税対策の実際

平成5年に出版された『私は77歳で死にたい』には
『節税の実際』に書かれた税金を節約するための知恵が
邱さんにおいて具体的にどう活用されたかの
一端がわかる文章が書かれています。
短いですが、「邱家における節税の実際」ともいうべき文章で
読者にとって有益な話だと思いますので、ここに抜粋しましょう。

「自分がまだ35歳の時に、将来、
自分が物書きとして売れなくなった時に備えて、
不動産収入を得るために、小さなビルを建てたことがあった。
その時、個人の名前に登記した土地を、
もう一度、登記料を払って、会社の持ち物になおした。
自分は自分の収入の減ることばかり想定し、
他の収入を増やすことを考えているが、
もし本業も繁盛して収入がふえ、
その上に不動産収入がふえたら、
それこそ累進課税の餌食になってしまう。
以来、個人では財産を持つことを避け、
すべての不動産は会社が持ち、
会社の株を家族で平均して持つようにしてきた。

自分の家を建てる時も、
自分で家や土地を買うくらいのお金はもっていたが、
会社に無利息でお金を貸しつけ、
会社が土地を買って銀行からお金を借りてうわものを建てた。
その家に税務署の規定に従って家賃を払い、
私たちが住んでいる。

本来自分たちの家であって然るべき家に家賃を払って
住んでいるのも奇妙な話だが、
何十年も立つうちに家や土地の値段が上がって、
もし私の所有であったら、
死んだ時に莫大な相続税を払わなければならないところを、
自分の所有でないために、
税金がかかってこないですむ形になっている。
税金は持っている会社の株にかかってくるが、
私の持株は全体の20%にしかすぎない。

その半分は妻の相続分になって、
妻が死ぬまでは一応、無税だから
さしあたり10%にだけ税金がかかってくることになる。
家の相続税一つ考えても、
1と10分の1とでは税金の額もまるで違うし、
したがって相続税対策も楽になる。
以上のような対策を30年も前にやっておいたので、
今日になってみると、
同じように死亡適齢期になった友人たちに比べると
うんと肩の荷は軽い。」
(『私は77歳で死にたい』平成5年)


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2003年3月24日(月)

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