第204回
『新・借金学入門』には借金に対する直近の心得を付記
『借金学入門』が出版されてから15年も年月がたっているので
『新・借金学入門』には昭和58年の時点で
借金するとした場合の心得が付記されました。
「ところが、15年もたつと、時代の先端を行くと思われた
物の考え方でも陳腐化してしまう。
とりわけインフレの推進力になった高度成長が終わりを告げ、
ゼロ成長に近い不況を続くようになると、
物価の上昇も一頃ほどの勢いがなくなった。
加うるに住宅に対する需要が一応満たされ、
土地でお金を儲けても土地譲渡所得税で
折角の利益を吸い上げられて、
ほとんど手元に残らなくなってしまったので、
強気一本の借金槍の借金政策では
通用しない世の中になってきた。
列島改造論以後も、借金政策を続けるべきか、
続けるとしたら、どういう方針で臨むべきか、
再検討すべき時期になった。
これは皆さんだけでなく、私にとっても、
反省材料になっているのである。
たまたま『新・借金学入門』が再版の時期にきたが、
再版がきかないほど紙型が崩れ、
改めて紙型をおこさなければならなくなったので、
この機会に、内装も装丁も改めて
『新・借金学入門』として出すことになった。
旧版を一通り再読してみたが、時代遅れになったと思われるのは、
税金と関係のある二章だけで、
あとはいずれもそのまま生きている。
ただ肝心の『借金学入門』が15年もたってみると、
あとを補足する必要があると思ったので、その後編として
『今の時代に借金する心得』を新しく書き足した。」
(『新・借金学入門』まえがき)
この本の最後の一章で邱さんは
借金に対する最新の考えを説明したのです。
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