第205回
借金の引きしめを呼びかける『新・借金学入門』
邱さんが昭和57年に書き足した
『今の時代に借金する心得』とはどんなものでしょうか。
『新・借金学入門』に書かれた
『今の時代に借金する心得』の一部を抜粋しましょう。
「私は2、3年前から『借金の半減』を唱え、
自分でも不用不急の遊休資産を整理して
借金は半分に減らした。
半分になった借金の返済期限を
さらに倍に延ばすように銀行に要求した。
7年で返す借入金をたとえば15年もしくは
20年分割払いに切り換えてもらったのである。
これだけのことをやると、金利は半減するし、
元金返済は4分の1になってしまうから、
企業の資金ぐりは一挙に好転するし、
税務対策もやりやすくなる。
何年も続けてきた戦後最大の不況も、
そろそろ底をつく時期に来たと思うが、
仮に回復が一年も二年も延びても、
臨戦体制ができたようなものであるから、
もうあまり心配はない。
昭和30年から25年間、
『借金学入門』に書いてある通りに
借金政策を貫いてきた人は、
かなり財をなしたはずであるが、
これからも借金政策が正しいことは
やがて証明される時期がくるであろう。
しかし、次の25年の借金政策は、
飽和状態でやる借金だから、
もう少し手綱をひきしめた、
用心深い形になるのが望ましい。」
(『新・借金学入門』)
以上は57年時点での邱さん借金に対する考えです。
ちなみに、平成の今日の邱さんの借金に対する考えは
もっと徹底したもので、その姿勢は
『銀行とつきあわない法』といった
最近作のタイトルに如実に表現されています。
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