第200回
邱家の教育基本法は二ヵ条だけです
KKベストセラーズから出版された
『子育てはお金の教育から』は新書版で売り出されました。
その裏表紙には「著者自身の広告」が書かれています。
これまで紹介した本の「まえがき」とは別に
邱さんが短い言葉で自著の概要を要約しています。
「私には娘が一人と息子が二人いる。
『断絶の時代』などといわれるが、
私と子供たちとのあいだには、
あまり断絶らしい断絶はない。
断絶があるかに見えた時期もないではないが
それはまた子供が生活者としての体験を
していなかったからである。
生活者としての悩みを共有するようになってからは、
子供の方が親の生き方を正当に評価してくれるようになった。
だから子供の教育で大切な時期は、
中学校から高校にかけての時期であり、
この時期に一歩踏みはずすと大へんなことになる。
私はこの本の中でも述べているように、
私は『金銭的なことで他人に迷惑をかけないことと
あの家の子供は礼儀知らずだと言われないようにすること』
を徹底的に叩き込んだ。
息子たちに言わせると、
『ヤクザにならなかっただけでも親孝行でしょう』
ということになるが、割合にうまく育った方だと思っている。
秘訣というほどではないが、
その経緯を盛り込んだのが本書である。」
なんでも子供さんたちが学校に通い出す頃、
教育基本法というのができて、
新聞社の人が『我が家の教育基本法』
と題して色んな人に子供の教育方針について執筆を依頼し、
邱さんも依頼を受けたので、
『我が家の教育基本法は二ヶ条だけである』と
上記の二つの方針を紹介したとのことです。
「この二つだけ守ってくれれば、
あとは雑草の如くいきてもらえばよい。
少々くらい図々しいと言われても、
そのくらいでなければ、
世の中の生存競争には打ち勝っていけないし、
自分の家ではろくにご飯も食べたがらないくせに、
友達の家に行くと何杯でもお代わりをするくらいのことは、
お米の節約になるという意味で大いに歓迎すると書いた。
社会生活をしていくうえで、この二つさえ守っていれば、
人から信用されるし、可愛がられもする。
何もわざわざ大学へ行かなくても、
出世の緒はいくらでもつかめるのである。」
(『子育てはお金の教育から』まえがき)
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