第199回
東南アジア旅行中に書きおろした『子育てはお金の教育から』
『子育てはお金の教育から』は
KKベストセラーズの岩瀬順三社長さんからの
執筆要請がきっかけになって生まれた本です。
「たまたまKKベストセラーズで、
私に株に関する書き下ろしを依頼に見えたが、
私は『株はいま難しいところにあるし、
私自身興味の大半を失っているので、
とてもご意向には添えないが、
今は世の中が豊かになって、
子供の金銭教育に力をいれなければならないところに
さしかかってきている。
30歳になってもまだ親がかりの若者が多いから、
スネをどこまでかじらせるか、という本なら書けますが』
とつい口をすべらせた。
そうしたら編集会議で満場一決したとかで、
すぐ珠を投げかえされてしまったので、
今さら拾わないわけにはいかなくなり、
10本ある連載物の執筆の隙間をかきわけて、
やっとこの『子育てはお金の教育から』
を書きあげたのである。
『苦労させないと子は育たない』と
多くの親は心配しているようだが、
『スネをかじらせても子は育つ』のである。
ただし、どこまでかじらせて、
どこから絶対にかじらせないか
というけじめだけはつけておく必要がある。
そのけじめについて、自分の体験をまじえながら
書いたのが本書である。」
(『子育てはお金の教育から』)
なお再版されたQブックス版の「まえがき」によると、
この作品は東南アジア旅行中に書き下ろしたもので、
タイトルもいくつかの候補の中から
「子は親の首かせ、財布かせ」と
「子育てはお金の教育から」の二つが残ったようです。
前者に対して、岩瀬順三さんは
「ひょっとしてベストセラーズになるかもしれないが、
空振りに終るかもしれない」とためらい、
最後の最後まで未練を残したけれども
結局、安全をとって、
『子育てはお金の教育から』に落ち着いたとのことです。
(『子育てはお金の教育から』まえがき)
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