Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第153回
低成長経済下の自分の舵取りを披露する『変化こそチャンス』

昭和51年から52年かけアチコチに書いた作品を集められ
『変化こそチャンス』と題する本が53年8月に発行されました。
収録された作品は
「不況下での企業家的発想」
(「新しい事業は時代の断層から生まれる」
「プレジデント」昭和52年9月号)
「デノミに至る道」(「円高後遺症への処方箋」
「プレジデント」昭和52年12月号)
「猛烈インフレ時代の貯蓄法」(積水ハウス月間PR雑誌
「こんにちはセキスイハウスです」に連載)
「外食産業で成功するコツ」
(『月間食堂』・「巻頭言」昭和51年1月〜12月)
「時代とともに変わる金銭感覚」
(「ハウマッチ」。「プレジデント」誌
昭和51年1月〜12月)
の5つです。

邱さんはこれらの作品のなかで、
この頃起こっていた大きな変化を指摘しながら、
それに適応していくための処方箋を書いています。
「高度成長は日本人を世界の金持ちにし、
新しい産業界のチャンピオンを数々、誕生させました。
ところが、一転して低成長のかげりが出てくると、
時代に適応する能力を欠いた個人や集団が
再び転落のきざしを見せています。
政府の無策が続くと、(もっとも、いつの時代でも
政府の救済の手に期待する方が間違っていますが)
円高現象が極端なところまで突っ走って、
日本の国のかなりの企業が立ち行かなくなってしまします。(略)
こうした重大な変革期は、
生き残れるかどうかの瀬戸際でありますから
『たいへんだ』という声のほうが『これこそチャンスだ』
という声より大きいのが当然であります。

しかし、敗戦のときもそうであったように、
また高度成長にさしかかったときがそうであるように、
変革期は常に既成秩序の破壊されるときですから、
新しい企業を起こそうとする人にとっても、
また新しく財を成そうと考える人にとっても、
常にチャンスなのであります。
高度成長期のチャンスが
世界相手の付加価値創造の中にあったとすれば、
これからのチャンスは主として、
企業の多国籍化、国際間の較差の中にあるといって
よいと思います。

(略)この本の中に書かれていることは
内容はきわめて具体的なものです。
商売がえをもくろんでいる人、新しく財産をつくりたい人、
海外に夢を求めてとび出したがっている人にいくらかでも
役に立つのではないでしょうか。
なぜならば、私の乗っている船の船長室で、
私が現に使っている海図を開いて見せているような
ものだからです」(『変化こそチャンス』まえがき)


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2003年1月27日(月)

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