Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第150回
家族会社を運営する経済教育書、『妻の財産づくり』

『妻の財産づくり』は初版から7年たった昭和59年に
Qブックスの一冊として再版されました。
この出版に際して邱さんが読み返したときの印象を、
『女の財布』(世界文化社。昭和60年)
のなかに書いています。
「『妻の財産づくり』は『家計簿的な発想でもなければ、
最近、職場に進出してきた
『女性の経済的な独立』を論じたものでなく、
ちょうどその中間に位置したいわば『灰色地帯』を
取り扱っていることに改めて気がついた。

『家計簿』は女性が主婦として家にいて、
ご主人が稼いできたお金を家庭生活のために
如何に上手に配分していくかという角度から案出されている。
『女性の経済的な独立』は
完全に独立した会計とまではいかなくとも、
少なくとも一家の大黒柱は一本でなく、
二本になった状態をさしている。
これに対して両者の中間地帯は、妻が働きに出ようが出まいが、
男が女と一緒になって一つ屋根の下で暮らすようになれば、
必ず発生する家庭内の金銭問題を扱ったもので、
一つは、女が男に比べて長生きする現状から生じた
新しい矛盾であり、もう一つは平均寿命が延びたとはいえ、
そろそろ戦中派から戦後派への世代交替期に
さしかかわってきたという現実とかかわりがある。

この時期はまた同時に、女性が家庭ばなれをして
職場進出に意欲を示しはじめた時期でもあるから、
以前に比して、財産とか利殖に対する主婦の関心が高まってきた。
しかし、一足飛びに女性が男性に
伍して働くというところまではいかず、
それ以前の段階で、とりあえず家産をどう動かすか、
また、ご主人が死んだあとの生活をどう安定させるかが問題で、
その具体的な提案として、私は主人のビジネスのほかに、
別に『家族会社』を設立することを提案したのである。
そうした『家族会社』を運営するための
女性の経済教育について書いたのが、
『妻の財産づくり』であり、
同じ問題を税法とのかかわりで扱ったのが
『資産家・事業家のための節税の実際』だったのである。
昭和50年という執筆の時日を考えれば、
『妻の財産』という発想になったのも
無理はなかったと思う」(『女の財布』)


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2003年1月24日(金)

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