第149回
奥さんの経済設計を支える『妻の財産づくり』
昭和50年に邱さんは「経営者会報」の編集長から
「妻の財産づくり」というテーマを与えられ、
うまいとらえ方だと感心し、すぐ承知して連載し、
昭和52年にそのテーマをそのままタイトルにして
日本実業出版社から出版しました。
「『妻の財産づくり』という妙ちくりんな題の本を書いた。
会社一筋で生きてきて、
いよいよ先がおしせまった年齢になってから、
ふと気がついたら、その対策は何もやっていなかったという
人が多いのではないか。
今からではいささか遅きに失するが、
でも何もやらないよりはましと思う人は
早速にも実行に移す必要がある。
一口に『妻の財産づくり』というけれども、
妻の財産は夫の銀行のようなもので、
町の銀行は貸してくれなくても
妻の銀行は無担保無保証で、
夫に貸してくれる。
だからこの銀行の含み資産づくりは
妻が一人で考えるべきことではなくて、
夫が忙しいことを口実にして
『お前が自分で考えろ』といっておっぽり出してしまう
性質のものではないのである。
ただそうは言っても、結婚以来、何十年も
問題に直面することを回避していたご主人を、
『水のそばに引っ張って行くことはできても、
無理に水を飲ませることはできない』のは確かだから、
奥さんの方が経済に明るくなるよう勉強するのが
一番手っ取り早いであろう。」
(「一家の財産づくりは奥さんの勉強から」、
昭和57年刊「食べて儲けて考えて」に収録)
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