Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第137回
時代の潮流を描いた『株の発想』

邱さんは昭和45年10月から46年11月まで
「株式投資の実際」と題して「日本証券新聞」紙に連載し、
のち日本証券新聞社の出版部から
『株の発想』というタイトルで刊行しました。

この作品は出版されてから二十数年後に
ベスト・シリーズの一冊として再版されました。
その「まえがき」で著者は次のようにふりかえっています。
「普通、株の本はその時の相場を中心として展開されるので、
時間がたつとチンプンカンプンになってしまう。
最悪の場合は、活字になった時はすでに間違っている
ということも起こりうる。だから私は株を論じる場合も
相場の予想はしないことにしているし、
株式市場を支配している潮流の話はしても、
今日の波は高い低いといった目先のことにはふれていない。
風が強いとか、天気が悪いといったその日、
その日の気象などはすぐ忘れられてしまうからである。」
(ベスト・シリーズ版『株の発想』まえがき)

「いま読み返してみると、あの時代なりに
自分がどういう先の読み方をしたのかがよくわかる。
私は気の早いほうだから、日本が耐久消費財の輸出国から
資本財の輸出国に変わるだろうと思ったし、
ニクソンの訪中をきっかけとして、
中国を新しい市場とする動きになるだろうと予想した。
また人手不足によって人件費が高騰するから
省力機械が次の成長産業になるだろうことを力説している。
細部では間違いはたくさんあるが、
大筋を間違えなかったおかげで、
何とか今日までやって来られたんだなあ、
と改めて実感させられる著作のひとつである」(同上)。


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2003年1月11日(土)

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