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19. サービス

私が学んだ日本におけるサービスの基本精神とは、
(1)常にお客様になった気持ちで今自分が何をすべきか考えること。(HOSPITALITY)
(2)自分以外の人に関心を持ち観察しなければならない。
   その人が今何をしようとしているのか、どうしたいのかを推測し読み取る力。
(3)服装や身だしなみ、態度や言葉遣いに気を配る。
(4)お客様に満足して頂く為には専門の知識や技術が必要。
   それがあればどんな場面でも自信を持って堂々と対応できる。
(5)人を思いやる気持ちと、素直な真心。
  お客様に満足して頂く事が、喜びと自信を生み、それが私たちのプライド(誇り)になる。
簡潔にまとめさせていただくとこのような感じです。

私がイタリアの飲食系列店で受けたサービスの印象は、非常にレベルが高く、
そして何よりスマートでカッコイイと感じました。
人其々によって受ける印象は違いますし、店によっても異なるでしょう。

*バール(立ち飲み式の喫茶店)は、
日本のようなきめ細かなサービスを受けた記憶はありません。
上記に記した(1)や(2)の精神が有るのか?という疑問さえ持つほどです。
ですがバールとはお客さん同士やバリスタ(バーテンダー)さんとの会話を楽しむ場所で、
観光地など以外の地元に密着したお店では
サービスを受けるというよりも"第二の我が家"的な存在で
居心地が良く時間を忘れるくらい長居してしまいます。

*客単価が安く居酒屋的なお店やピッツェリア(ピザ専門店)では、
店内は賑やかで活気があって気取らずに食事が楽しめます。
サービスは如何かと言うと、忙しさのあまりオーダーした料理を間違えたり、
ナイフフォークが無かったり、呼んでもなかなか来なかったり言い出すとキリがありません。
ですが不愉快や不満な気持ちにはなりません。なぜでしょう?

* そしてリストランテと呼ばれ、日本で言うと「料亭」を指す高級なレストラン。
ここでサービスをされている方たちは、いわばプロフェッショナル。
料理の事や世間話など笑顔で対応してくれ、
そしてその立ち振る舞いはどこかの劇場に来ているかのような錯覚を思わせるほどカッコイイ。
サービススタッフ全てが「役者」で“創られた者”ではなくそれがとても“自然”なのです。

日本での、喫茶店、居酒屋、レストランなどのサービススタッフを見てみると、
細かくてよく気が利くことが多く、素晴らしいと感じることが多々あります。
日本人が持つプロ意識の高さの現われなのでしょう。
ですが、イタリアで受けたサービスのスマートさやかっこよさは日本では感じませんでした。
それは外見の違いだけではなく気質も関係してくるのかもしれません。
私はイタリアで見て感じてきたサービスに学び、
日本人の気質で尚且つ自然でスマートなサービスを心がけていますが、
未だにあのイタリア人達の様に成るには程遠いです。


2007年11月14日 <<前へ  次へ>>