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9. ガイドブック

私がイタリアで料理修行をしたレストランは、全て片田舎に店を構えています。
もちろん中にはミラノの中心やフィレンツェの繁華街などにお店がある場合はありますが、
有名なミシュラン、エスプレッソというレストランガイドブックなどに記載されている
いわゆる「星付き」レストランは決まって不便なところにあります。

そのガイドブックの話を今回させていただきます。
イタリアで発行され、人気の有るガイドブック、グイダエスプレッソ、ガンベロロッソ、
リストランテディイタリアなどがありますが、
その中でも一番信頼され、イタリア中のシェフが注目しているのがミシュランです。
これはあるイタリア人シェフから聞いた話ですが、
ミシュラン以外のガイドブックはレストランの調査をする際、
予約をする時点で「ガイドブックの者ですが・・・」
と明かしその時の食事代から何まで全てサービスするというのです。
もちろん店側もガイドブックのテーブルは完璧にこなそうとするし
最高のタイミングでサービスができ、その準備が前もって出来るという点です。
この完璧なサービスをするしないは店側が決めることですが、
ガイドブックに良い情報を載せてもらえるなら安いものと受け止め、
お金までもらいません。
この情報を当てにしていざレストランへ行くととんでもなくがっかりさせられます。
なぜこのレストランの評価がこんなに高いのって?!
不正とは言いませんがズルイと私は感じます。

ですが「ミシュラン」はソレが全く無い、
調査の方も食事を終えお会計を済ませた後、
「ミシュランです」と明かし、しかも同じ人間は二度同じ店には行かないとも聞きました。
これが真実かどうかは別にして
イタリア中のシェフが注目しているのには何か訳があるのだと思っています。
そして私の修行先3件目のレストランで名誉とも言える
この「ミシュラン一つ星」をシェフダヴィデとイタリア人コック一人、
私を含めた日本人コック2人、計4人のコックで獲得したことは
今でも私の胸に刻まれています。

* 星一つは、素晴らしい料理にサービス、ワインも充実していて行くべきレストラン
* 星二つは、素晴らしい料理にサービス、ワインも充実し
  レストランの内装、装飾品雰囲気も素晴らしく、行くべき価値有るレストラン
* 星三つは、ソレを全て兼ね備えレストランのある場所など環境も素晴らしく、
  泊りがけでも行くべきレストラン
と私は解釈しています。


2007年6月27日 <<前へ  次へ>>