村の各家庭では12月の下旬から春節の準備が始まっています。
豚の解体も春節前の大きな仕事です。
養豚を始めてから、
ますますタイ族独自の豚肉処理法や料理に興味を持って
研究しています。
そんな経緯から、今年はタイ族の友人にお願いして調理に加り
「タイ族流おもてなしの極意」を学べることになりました。
前日からの泊まり込みで、まずは大豆から豆腐作り。
続いて深夜には豚の解体、部位の切り分けに挑戦しました。
解体された豚はすぐに頭と足は直火で真っ黒になるまで焼き、
1日水につけてこげをとり保存されます。
血の一部は豚パーティの名物の
大ソーセージ「腸豆腐」の材料になります。
残りは固められ大根と一緒に煮込み、お客さんにもてなされます。
ちょっと残酷なようですが、
捨てるところはなくすべての部位を丁寧に処理していきます。
腸は3度洗いし腸豆腐に使われます。
1回目は前日に作った豆腐のおからを使い汚れを落とします。
2回目はお酢を使い臭みを取り、
その後匂いが少なくなるまで何度も水洗いをします。
腸豆腐の材料は
ミンチ・血・水をよくきった豆腐・3種類の香辛料と塩です。
家のおばあちゃんが手でかき混ぜながら、味を決めていきます。
「小腸に詰める時は塩を少なめにすることがコツだよ。」
と教えてくれました。
腸詰する機械は水道管で作られた手作りのもの。
村で数台を共有しています。
その日は腸詰担当の女性グループが機械を持って家を回っています。
腸にどんどん材料が入っていきます。
ソーセージと違って一つ一つ腸を区切るわけではなく、
ただひたすら材料を詰め長くて太~い腸詰を作っていきます。
腸詰担当の女性たちは腸詰が終わると、
パーティで残った肉を切り刻む作業を手際よく行っていきます。
豚肉パーティで残った大量の肉は、干し肉にするか、
素焼きの大きい壺の中で塩や香辛料、油などを使って
長期保存されます。
この方法で冷蔵庫に入れなくても常温で10ヶ月保存がききます。
脂身は大きい鍋でラードを作り保存します。
最後に豚の毛を買い取る業者がやってきます。
筆の材料になるのです。
1匹分の毛が2元。
お手伝いをした子供たちのお駄賃になりました。
こんな風にして一昼夜をかけて200kgの豚は、きれいに片付けられ、
家々の軒先には大きな大きな腸豆腐がぶら下がっていくのです。
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