なんとか10回連載できましたので、
中国人と日本人の違いと称して、
1回分違ったテーマで書いてみたいと思います。
大阪の人が子供の頃から
日常会話で自然に笑いのセンスを磨くように、
中国人も子供の頃から何気ない経験を積んで
商売人になっていくようです。
私も中卒の従業員相手にしても、
これはかなわないなと思う事がしばしばです。
こんなコワッパにもかなわないなら、
生き馬の目を抜くやり手の連中と
どうやって勝負をしていけばいいのか?
と途方に暮れる事もあります。
それでも悩んでも解決しない問題なので、
まずは孫子が言うように、敵も自分も知れば百戦錬磨と言う事で
それぞれの特性とは何なのかと、
自分なりに考えるようになりました。
今回は、料理にみる中国人と日本人の違いを
書いてみたいと思います。
世界の料理の中でも極めて多彩な中華料理を一概には括れませんが、
中華料理の傾向として
料理人の技術に依るところが大きいと思っています。
逆に日本料理は素材に依るところが大きいのではないでしょうか?
中国は歴史的に豊かな文化を享受してきた時間が長いだけに、
旨いものを食べたいという欲求の強い国だと思います。
しかし、水や土、広い国土の影響でしょう。
上質で新鮮な素材を
安定して確保できる地域は非常に限られています。
よって、不味い素材をいかに旨く調理するかに情熱が注がれました。
その結果、調味料の配合や、火の使い方、蒸し方など、
熟練技を要しそうな技術は他国を寄せ付けません。
一方日本は全国的においしい水と豊かな土壌、海があり、
国土も狭く素材には事欠きません。
よって素材の味さえ引き立てられれば、
それで十分おいしいという事になります。
中国は、素材を調理でカバーする調理法。
日本は良い素材で技術をカバーする調理法
と言えるのではないでしょうか?
これは、料理だけではなくて
ほかにも様々に国民性の違いを理解する時に
現れてくるように見えます。
建築物を作るにしても、中国は日本のゼネコンのような
スキの無いプロジェクトマネジメントは
初めから放棄しているように見られます。
日本には無いような色々な不確定要素があるので、
そんな計画通りに行くわけがないからです。
しかし、納期に間に合わないと
自分の損失になる事が明確にわかれば、
日本のゼネコンでは到底真似できないような
土壇場の集中力を持って、不可能を可能にしてしまいます。
中国人はこのように、日本人の目から見れば、
結果オーライにできるならば何してもよいという傾向があるので、
日本では考えられないような高い利益利率を出す会社があったり、
ビルが突然倒れるというとんでもない失敗が起きたりもします。
小生としては、こういう現象をよく観察し、
一般的な中国人が持たない発想、
つまり細部から手を焼いて物事を形にしていくという
気の長い作業を狙っていこうと思っています。
そういう事を、日本のお米やお蕎麦を食べたりする時に
しみじみと感ずるのでありました。
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