標高1500mの山頂に生るカチモールコーヒーは、
雲南小粒コーヒーと呼ぶには不相応なほどに、大粒の実をつけます。
樹や葉も元気がよく、生命力の強さを誇示しているかのようです。
コーヒー農場をぐるっと回って見るだけで、僕まで元気モリモリ、
何だか嬉しくなってしまいます。
何とかして、ここのコーヒーを使いたいと思い、
農薬の有無や収穫基準など、数回かけて農場を視察し、
農場主と何度も話し合いました。
農場主は一部のチェリー(実)を先に売りさばくことで、
ある程度の現金を早めに確保したい、という思惑があり、
僕たちの要求する当日収穫・当日納品、紅く熟したチェリーのみ、
といった条件をしっかり守ってくれています。
原料の品質が良いため、チェリーからグリーン豆までの歩留まりも高く、
カチモールコーヒーでも邱公館のやり方で
安心して加工ができるようになりました。
おまけに、移り気な小規模農場主や農民と毎日交渉する必要もなく、
産地のあちこちにバタバタと仕入れに走り回ることもなくなって、
良いことだらけです。
今シーズンは、邱公館農場で幻のティピカコーヒーの収穫が始まり、
同時に良質のカチモールコーヒーの安定確保を可能にしたことにより、
邱公館のコーヒー豆原料の生産体制を、一通り確立したと言えるでしょう。
もちろん、天災や産地・市場の変化等により、
不測の事態が起こりうる可能性も十分あり、気を抜くことはできませんし、
もっともっと良いコーヒーを目指して、農場作りや加工方法等、
絶え間なき研究、改善が必要なのは言うまでもありません。
近い将来、間違いなく巨大なコーヒー消費国となるであろう中国で、
僕たちが育てあげた雲南コーヒーがどのように評価されるのか、
臨戦態勢ばっちりの今、大きく武者震いしています。
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