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36.高級農民の挑戦 ― 精製編

農業に従事していて、
自分で自分のことを“高級農民”と言うのも間が抜けていますが、
気にせず続けます。

僕たちは鮮度も非常に重視していますので、
収穫したコーヒーチェリーはその日の内に初期加工を施します。
日が暮れるころに加工場に入荷したチェリーを計量後、
きれいに水洗いし、水に浮くチェリーを除去します。
水に浮くのは、中の豆がスカスカの未熟豆だからです。

そして水に沈む中身の詰まったチェリーを選別台に移して熟成度の検品を行います。
しつこいですが、邱公館コーヒーの原料は真っ赤に熟したチェリーだけを使用するので、
パルピング(皮剥き)する前に、念のためもう一度チェックするのです。
専用の機械でチェリーの皮を剥いた後、雑物や不良豆等の検品を再度行い、
合格したパーチメントを一晩水につけて発酵させます。

コーヒーの実は皮を剥くと、豆の表面は粘着性の糖分を含んだ果汁に包まれています。
このまま乾燥させる方法もありますが、乾燥ムラになりやすく
途中で粘膜が酸化すると品質に悪影響を与えてしまいます。
僕たちは豆を一晩水につけて発酵させる水洗式という方法を採用し、
表面のぬめりをきれいに除去しています。
この工程により、雑味のないクリーンで香り高い風味を引き出します。

きれいに水洗いした後、棚を使って5日~一週間ほど天日で乾燥させます。
もちろん、夜間や雨天はビニールシートをかぶせ雨露を防いでいます。
豆は一度も地べたに触れることなく、風通しの良い網の上で満遍なく攪拌し、
太陽の恵みをたっぷり吸収したムラのないきれいなパーチメントに仕上がります。

最後に空調のきいた低温倉庫で一定期間豆を寝かせることで、
含水率を安定させます。
そして殻の付いたパーチメントのまま保管することで、
鮮度を長持ちさせることが可能となります。
お客様のご注文により、
脱穀 ⇒ 生豆選別 ⇒ 焙煎
と受注生産ができますので、非常に鮮度の高い状態での出荷が可能となります。

ちなみにすべての豆にロット番号を付け、収穫から出荷までの全工程を
データ管理していますので、
問合せ等があったときに、その豆は、何月何日にどの場所で収穫して、
いつどのように加工し、いつ出荷したか等々、
すぐにお答えできるようにしています。

ここでの大きなテーマは、
安心(安全・安定)
品質
効率 
の3つです。


2007年11月16日 <<前へ  次へ>>