去年、北京から遥か西方の黒海を旅してきましたが、
そこでロシアの軍艦を見ました。
北京にもどってきて現地新聞に目を通していると、
ロシアが黄海海域でも軍事演習を行っていることなど、
中国ではロシア関係の報道が本当に多いのに気付きます。
最近で言うと、先週北京で行われた
「上海合作組織」(上海協力機構)のサミットの話題でもちきりです。
連日新聞の表紙は、「上合」(上海協力機構のこと)という言葉や
プーチン大統領の写真などで埋め尽くされていました。
上海協力機構は、中央アジアとロシアの共通の国境を有する国々が、
いわゆる「三股勢力」
(テロ組織、民族分離主義勢力、過激宗教勢力)問題などの
共通課題に対峙する安全保障のために組織されています。
主に欧米と異なる利害関係を持つ国々によって構成され、
今年はアフガニスタンとトルコがオブザーバー・対話国として
会議に参加するようになりました。
インドやモンゴルもオブザーバーですから、
参加国をあわせた面積や人口はとてつもなく大きいですね。
安全保障が第一の共通利益の集まりですが、
急速な経済発展を実現した中国のマネーや発言権が
この組織の機動力になっています。
中央アジアなどの資源取り込みをめざし、
加盟国に100億ドルの貸付を提案したりするなど、
様々な経済パートナーシップを結んでいます。
今年は、中国・ロシア・中央アジア各国を結ぶ道路網を拡充させ、
一層の貿易拡大を目指す、という胡錦濤国家主席の言葉もありました。
上海協力機構ではない日本も、中国との間で
日本円・人民元の直接取引ということを始めました。
アメリカの影響力を排除した、各地域の自立性を促す大きな動きが
アジアを中心に淡々と行われています。
目の前の仕事は変わりありませんが、
今後どのような波乱があるのでしょうか。
絶世の活動情報 : www.zessei.com
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