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230.膨らむ上海協力機構

去年、北京から遥か西方の黒海を旅してきましたが、
そこでロシアの軍艦を見ました。
北京にもどってきて現地新聞に目を通していると、
ロシアが黄海海域でも軍事演習を行っていることなど、
中国ではロシア関係の報道が本当に多いのに気付きます。

最近で言うと、先週北京で行われた
「上海合作組織」(上海協力機構)のサミットの話題でもちきりです。
連日新聞の表紙は、「上合」(上海協力機構のこと)という言葉や
プーチン大統領の写真などで埋め尽くされていました。

上海協力機構は、中央アジアとロシアの共通の国境を有する国々が、
いわゆる「三股勢力」
(テロ組織、民族分離主義勢力、過激宗教勢力)問題などの
共通課題に対峙する安全保障のために組織されています。
主に欧米と異なる利害関係を持つ国々によって構成され、
今年はアフガニスタンとトルコがオブザーバー・対話国として
会議に参加するようになりました。
インドやモンゴルもオブザーバーですから、
参加国をあわせた面積や人口はとてつもなく大きいですね。

安全保障が第一の共通利益の集まりですが、
急速な経済発展を実現した中国のマネーや発言権が
この組織の機動力になっています。
中央アジアなどの資源取り込みをめざし、
加盟国に100億ドルの貸付を提案したりするなど、
様々な経済パートナーシップを結んでいます。
今年は、中国・ロシア・中央アジア各国を結ぶ道路網を拡充させ、
一層の貿易拡大を目指す、という胡錦濤国家主席の言葉もありました。

上海協力機構ではない日本も、中国との間で
日本円・人民元の直接取引ということを始めました。
アメリカの影響力を排除した、各地域の自立性を促す大きな動きが
アジアを中心に淡々と行われています。
目の前の仕事は変わりありませんが、
今後どのような波乱があるのでしょうか。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2012年6月15日

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