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272.健康に想う

ちょっと一休み的コラムになりますが、
今週はふと健康に想いをはせる時間がありました。

私は、つねづね自分のパートナー達に、
「いろいろ厳しい要求も出すし、
仕事が一番みたいなことは言うけど、
健康第一、家族第二、仕事第三だよ。」
と話しています。

皆さんも体調を崩されることはあると思いますが、
健康を害せば、家族にも良くしてやれないし、
家庭が安定していなければ、仕事にも影響がでるものです。

しみじみ健康のことを大切にしなきゃ、と感じたのは、
自分の体験ではなくて、他人の言葉がきっかけでした。

日本で働いていた時、
自分も含め回りもタフな働きっぷりでした。
2、3時間の睡眠でもぶんぶんに飛ばして仕事をしていました。

その会社の新卒説明会の時、
当時のボスが演壇にあがって大学生の質問をうけていました。

「普段の仕事の中で一番気をつけている事はなんですか?」と、
とある学生が質問した時、そのボスは少し考え込んで

「健康ですね。」

と答えたのです。

コンサルティングファームですから、
それこそロジカルにものを考えるとか、
クライアントの心に刺さるようなサービスとか、
きっとそんな期待を学生はしていたのでしょう。
意外な答えに、笑いさえ聞こえていたそばで、
僕らは思わず涙ぐんでいました。

仕事上のスキルや、顧客志向のマインドなんて、
我々にしてみたら当たり前の事でした。

頑張る事だって、基本スキルの1つみたいなものでした。
事実みんなが頑張れていました。

でも、頑張る事と同様に、
健康を気遣えている人間はいなかったし、
みんな痛んでいました。

その後、そのボスは、
結局ジャパンのトップまで上り詰め、
最近ではジャパンオフィスを、
グローバルナンバーワンにまでしたと聞きます。

でもその過程で、
数年まえに仕事のしすぎで網膜剥離を起こし入院をしていました。
きっと資料を見続けたんだと思います。

僕がその人と久しぶりにあったのは、退院直後だったので、
当時の「健康に気をつける事です」
という言葉に思わず涙したことを話しました。

このコラムを読んでくれている人が日本にいるか、
中国にいるかは私は知りません。
ただ、邱永漢に興味を持ち、
こうして中国で事業をする我々に興味を持ってくれて
コラムを読んでくれる方々ですから
きっと頑張っておられる方が多いと思います。

今回は、心を込めてお伝えします。

「健康に気をつけてください。」


2012年6月18日(月)

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