トップページ > 成功の都「成都」からの便り > バックナンバー

   毎週月曜日更新

260.わたしの代わりはだれか?

なんだか大したもののようにお話してきた新しい人事制度の1つである、
公開性自己申告給与決定制度も
何のことはない新しい1つのトライアルであるだけです。

従ってこれがうまく行くかどうかはまだわからないのです。

私自身が前提条件として上げている、
タイムリーなパフォーマンス評価だって、
ある仕事がどこまで出来たかを完全に数値化することなどできやしないし、
出来たという基準をどう設定するか
1つでも、例えば、予算に対する達成率、期待値に対する出来具合、
設定時間内にできたかどうか?
等々、仕事の評価にはあらゆる視点が発生します。

ただ、私はそれでもやってみようと思ったのは、
常日頃から考えている、新しい試みを重ねて行く、
中国の激しく吹き荒れる人件費向上の風にどう対処するか?
そしてまた、大切なパートナーのモチベーションを
いかに保ち長期的に頑張ってもらうか、と色々考えてのことです。

このコラムで繰り返し書いているように、会社の戦略目標は明確です。

「士農工商」戦略=武士の心で、農業、工業、商業を営む。

食品を扱う企業として1次、2次、3次産業に積極的に関わり、
規模は巨大でなくても上流から下流までのコントロール力を自社で持つ。

これにつきるわけです。

この目標を達成を加速するための1つの手だてが
この人事制度なわけですが、
あえてもう一つの問題点を自分であげるならば、
これは、あくまで経営者が社員を
いかに有効的に仕事させるか
という視点が多分にはいっておるわけです。

これからの主眼は、仕事の効率性もさることながら、
自分の分身づくり、もしくは、
会社の価値観の浸透をはかることにおかなければならないことは
私も意識しています。

実は、今回の制度策定において、
最後にとっておいたカードは、「代理人制度」です。
つまり、各幹部が万が一自分が病気や
なんらかの理由で自分のポジションを守れなくなった時に、
だれが自分を代理するのかを明確にさせました。
当然私自身の代理人も設定しました。

これは、経営上のリスクヘッジであり、
また分身づくりの工夫の1つでもあります。

こういった細かい工夫の積み重ねが、
日本人がここで生き延びる鍵であり、
同時に日本的マネージメントが、
高い仕事の効率性を求められる
今後の中国労働社会で価値をだすところだと常々思っています。

これからですよ、和僑の時代は。


2012年3月19日(月)

<<前へ  次へ>>