正直いうと、もうちょっと吹っかけてくるかと思っていたのが本心ですが、
その一方でそうはならないだろうという確信もありました。
中国人の別の側面を申し上げると、
1)(日本人よりは)高い自己評価
2)メンツと(同僚等との)人間関係を重んじる
ところがあります。
したがって、1)に依ると
べらぼうに高い自己評価=申告給与がでてもいいはずですが、
一方で、他人とのバランスや、もっと言うと、
私だけこんな高く言って、皆はどう思うだろう?
というバランサーを働かせる必要があります。
もう1つ追加すると、中国では、
お金の話が大好きですから(これ、私はいいことだと思ってますが)、
給与の公開などしなくても、
「公開的秘密」という中国語がそのままの意を表しているように、
みなそれぞれの給与などは、ほとんどお互いにバラしあっています。
つまりこれらを総合すると、
「そんなコソコソ人の給料を探っているぐらいなら、
公開してしまえ。
また、公開することで
他人には恥ずかしくて言えないような給与は言ってこない。」
という見方をしたわけです。
すると案の定、きわめて常識的な額が上がってきました。
前回、一人を除いて私は言い値から
一切の調整しなかったともうしましたが、
その一人は、私がもっとも高い給与をつけたいと思っていた人間です。
ところが、その人間は一回目の面談こそ
そこそこの提示をしてきたものの、
なんと二回目の面談では価格を下げてきました。
呆れた私が、最終的に開催した経営会議上で、
皆にそのことを問うて、
一番高い値段に調整しなおしたというのが結末です。
さてさて、その人間が私の性格と行動を読んで
戦略的にそこまでやったのであれば立派なものですが、
まさかこちらから給与の値上げをお願いするとは思いもよりませんでした。
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