これから中国で起きることの一つに食料不足があることは、
皆さんもご承知のことと思います。
食品企業の人間としてこの問題にどう対応するのかを考える時、
ただ単に美味しいものを
安全にお届けするだけでは物足りないと感じています。
食料の不足を考える時、需要側と供給側の両方からものを考える必要があります。
すなわち、供給側とはバイオ技術、遺伝子組み換え食品、
大規模農業(=農業の工業化)といった生産能力の飛躍的な拡大です。
実は私がいま興味を持っているのは、むしろ需要サイドです。
地球上で生産される食料の40%は
人の口に入る事なく廃棄されていると言われています。
これは大変な大きな数値ですし、
仮に社会がこうした構造をもったまま供給側の能力をあげたとしても、
結果は大量のゴミを社会に生み出すだけです。
このゴミが、どこで出ているのかと言うと、
1つは、例えば農地から生み出された農作物が
売り手の規格に合わないという理由で廃棄される。
供給しすぎると値段が下がるという理由で
大量に埋められるキャベツやレタスの話を
耳にされたことがある方は多いと思います。
2つ目は、加工過程です。
例えばレストランの厨房という1つの加工現場をみるだけでも
結構な「食べられるゴミ」を出しています。
このテーマを自分の中で決めてから、
私は自社の店舗のゴミをアサリまくっています。
例えば次の写真は、恥ずかしながら、わが社の厨房の実体です。
そして、次の写真は今日台湾でとった卸売市場のごみ捨て場所です。
加工過程や流通過程で多くの食料がゴミと化しているわけです。
そして、最後は、中国に来たことがある人なら
誰でも知っている過剰な食べ残し。
驚くべき量の食べ残しがレストランで発生しています。
食料不足や供給側の能力をあげると同時に、
社会の無駄を省くことを考えるほうが早いような気がします。
燃費の悪い車に乗り続けて、油田開発をするより、
燃費の良い車を開発するほうが価値が高いという理屈です。
この問題に私ができる事は何なのか?
私なりの答えを次回書いてみたいと思います。
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