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215.私はいつかなくなるレストランの経営者です

皆さんも9393コラムで何度か目にされたと思いますが、
我がお師匠は
「レストランをオープンする目的がわかりますか?
それはクローズするためですよ。」
と本気とも冗談ともとれないことを言います。

ここ1年ぐらいはその話を何度も私にするので、
「自分でレストランのオーナーしておきながら、
一方でレストランは潰れる潰れると言うなんて
シニカルにもほどがある。」
と密かにため息をついていたのですが、
ここに来てそれにどう対応しなければならないか?
ということに頭を使い始めました。

あるレストランがいつかなくなるというのは
恐らく歴史や時代における真実なんだと思います。
ある特定のレストランのライフサイクルは以外にも短いのです。
実際私が子供の頃あったレストランの殆どはもうありません。
40年も続く料理屋をとても尊敬します。
一方で、自分にもそれができると思い込むのは過信だと思います。

であれば、時代の摂理を受け入れて
それに対応する方法を考える方がどうやら現実的なようです。

今考えていることは、永劫性のある物事・事業なんてものはない。
レストランもその例に漏れずいつか終わりがくる。

終わらせないためには、2つの工夫がある。
1つは、いつも変わること。
もう1つは、いつも変わるような仕組みをつくること。

会社組織として大きくなる傾向にあるレストランは、
この変化を生み出すことがだんだんと難しくなる。
なぜなら皆が給与をもらうサラリーマンになり、
1店舗しかなかったころの、
生きるか死ぬかの切実な状況でなくなるから。

であれば、レストランは
部下が独立していくプラットフォームとして提供し、
彼らにとっての「自分の事業」化することで、
少なくとも必死にはなれる。

さてさて、じゃあ私はどうやって飯を食うのか?
1つは、ブランド構築を利用し、
店舗以外の事業比率を売上の半分以上にすること。
そして、フードサービス業を支えるより
広いプラットフォームを作り出し、そこを基幹事業とすること。

物事・事業の非永劫性、いつか終わりがくるんだということを思い、
それに対する準備を未来の創造に繋げようといろいろ考えています。


2011年5月16日(月)

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