以前、水と知識はずーっとあるところに置いておくと
腐敗したり陳腐化します、ということを書いた気がしますが、
ああ、最近私が目にした文章には
「権力は腐敗することがあるが、絶対権力は絶対腐敗する」
と書いてあり、見た瞬間にどきっとしました。
よく「経営者は孤独」などと言われますが、
孤独な側面もまああるだろうとは思います。
それは自分のスタイルにもよるだろうし、
自分を勝手にそうさせてしまうところもあるでしょう。
翻って自分も、中国で総経理という立場で仕事をする以上、
組織の中では上下関係が存在し、
周りの人間が概ね私のいうことを聞いてくれ、
指示には従ってくれます。
チームとしてやる以上、
戦場でリーダーの指示にしたがうのは当たり前です。
(例外もあるけど)
そうすると、いや、人間恐ろしいもので
1)みんなが大切にしてくれる、その状況に慣れてくる
2)仕事上で自分の話を真剣に聞いてもらえると、
自分が絶対的に正しい錯覚に陥ってくる
3)よって偉いと勘違いする
ということになってくるものです。
これを100%否定できる人がいたら、その人は神に近い経営者か、
一度もリーダーをやったことのない人かどちらかです。
さてさて、こういった権力というのは必ず、
もう必ず人と組織をダメにするものです。
大切なのは、上記の状態を「認める」。
自分がどんなに人間ができてきたと信じていても、
自分に言い聞かせるようにして認めさせる。
その上で対応する。
歴代の偉大だと言われた権力者(経営者)の中には、
例えば本田宗一郎さんのように
自分の親族を一切会社に入れないと
制限されたような方もいらっしゃいました。
これはそのやり方自体が正しいのではなく、
自分の権力を絶対化させないために
自分なりに考えだしたルールと仕組みなんだと思います。
聡明な経営者は自分を認め、自分を変えることよりも、
ありのままの自分に合わせたルールをつくるものですね。
|