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206.あなたは私にとって大切なんです

それはふとした言葉でした。
聞いた瞬間ちょっとびっくりしました。

その日、私は次なる会社の成長を支える
ITシステムの説明を受けるために
とある会社のディレクターから
プレゼンテーションを受けていました。

30分も話を聞くと時間が気になりだし、
「時間が気になるということはきっと今日はこんなもんだな。」
と考え始めたところでした。

一通りの話と問答を終えた後に、
ちょっと不器用な彼は少し間をあけて言いました。

「社長。御社は私にとってとても大切なんです。」

「・・・」

下を向いていた私は一瞬動きを止めて彼を見上げました。
びっくりしたのでした。

他人に、

「あなたは私にとって大切なんです。」

といわれることは、思えば多くありません。

一方で自分がそれを言うこともあまりありません。

「この言葉は力があるな。」

その日の説明ついて記憶に残っているのは、
彼には悪いのですが、その言葉だけでした。

私には何人もの大切な人がいます。
ただ、そういう人に大切だよ、
とストレートに伝えたことはほとんどありません。

そう伝えることの意味と影響を想像しながら、
「大切なんですよ。あなたは私にとって。」
と小さな声を出してみるのが精いっぱいでした。


2011年3月14日(月)

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