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149. パソコンは思考を妨げます

「パソコンを開いてカチャカチャやってるうちは
考えてねーんだよ!」

これ、私が昔上司に言われた言葉です。
今ではその意味がよくわかります。

人間にとって考えるとは唯一無二の価値です。
人間の付加価値のほとんどすべてが考えること
そして試してみることから生まれます。

翻って、1990年代から普及したパソコンが
ビジネスに与えたインパクトは
ご存知の通りとても大きいものがあります。
私は、大学と入学と同時に一人一台パソコンをもらえる
第一世代だったこともあり、かなりなじむのが早かったようです。

一方で、以前の会社の上司が昔日立という会社に勤めていたときは、
入社時はパソコンがなかったのに、
途中で突然パソコンを使って業務するようになって
ずいぶん躊躇したようなことをいっていて、
「へー、パソコンがない時代あったんだ。」
のような不可思議な感覚でその話を聞きました。

さて、私がコンサルタントになりたての時、
パワーポイントというプレゼンテーションソフトが
私の商売道具でした。
説明資料づくりのソフトですね。

で、いつもそのソフトをパソコンで立ち上げて
何を書くか考えていました。
でも本当は考えているフリをしていただけです。

そんな時後ろから聞こえてきた声が冒頭の一声でした。

私の経験上確かに言えることは、

“パソコンを開きながら考えられることには限りがある”

ということです。
信じていただけるかどうかはお任せしますが、
パソコンを開いて本当の思考作業はできません。

私にとっての思考の道具は真っ白な紙と鉛筆。
これだけです。
これで構想をねるのです。

自分が書きなぐった内容をみて、本当にそうか?本当にそうか?と
どんどん思考を深めていくのです。

パソコンが思考に向いていない理由を
私なりに分析すると以下のようです。

1)パソコンを使っているだけで
  仕事を一生懸命やっている気分になり、錯覚する
2)パソコンの画面の範囲が狭く、
  人間の視点移動が極端に少なくなり、
  大脳活動への刺激を相当低下させる
  (これは科学的なリサーチがあるようです)

朝一番オフィスのデスクに向かったとき、
一番にまっさきにパソコンを開けるような日の仕事の効率は
さしてよくない。

仕事の始めは、どう一日を過ごすかを
ビジュアルにイメージすることからはじめることです。
(もちろん、その作業は
前日の夜に終えているのが望ましいのですが)


2010年2月1日(月)

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