トップページ > 成功の都「成都」からの便り > バックナンバー

   毎週月曜日更新
148. 選んだ株が13倍になりました

昔話です。

一昨年から始まった、金融危機ですが、
当時邱先生が成都にいらっしゃった際にこんなことを聞きました。

「中国株も影響を受けていますが、いま中国株が下がっているのは、
アメリカの機関投資家(モルガンとかゴールドマンとかです)が
資金調達需要が急に高まって−要は金に困って−
自社が保有していた中国株の大量放出をしていることに
原因の一端がある。」

なるほど、利益をだしているような優良企業でも
そういう影響をうけて株価を下げているんだなと思った私は、
待てよ!?と考え出しました。

じゃあ、もし業績優秀で、将来性もある会社なら絶対あがるよな。
そこで私は以下の3つの視点を設定して株の物色を始めました。

1)ここ数年の財務諸表の成績が優良であること。
  まあ、利益じゃんじゃん出ていてさらに伸びていることですね
2)業態からいって今後の中国の成長に関連があること。
  将来性があることです。
3)株主構成に上記のモルガンとかゴールドマンとか
  アメリカの横文字系機関が入っていて、
  かつその保有構成率がかなり高いこと。
  つまり投売りの影響を強くうけていること

全体を洗ったわけではないですが、
私の手元の最終リストに残ったのは

・中国アルミ
・中国建材

の2社でした。
アルミよりセメントのがなんとなくイメージしやすかったので
そこに照準を当てました。

そこですっかり自分の推測に気をよくした私は、
仲間にも電話でそのことを教えてやり、
一緒に大金持ちになろうと、楽しく電話を切りました。

数ヵ月後、しばらくこのことを忘れていた時に、
当の仲間から電話があり、
「金さん、中国建材ほんとにあがりましたね。
もう10倍以上ですよ。」
「えっ?ほんとか?」

株価をチェックすると、なんと13倍でした。

「おい、お前もうかったな〜よかったな〜。」
「・・・」
「おい、どうした!?」
「実は、買いそびれました。」
「なに?」

「お前もか・・・」

実は、儲かる前に
自分の分析の筋のよさにすっかり悦にはいった私は、
もう一人の友人にもその話をし、
「あのね、そういう博打はいけませんよ。」
とたしなめられ、はいそうですね、とむしろ反省して、
買わなかったのです。

ばかばかしい話でしょ。

あの時買っていればってのは誰にでもあるし、
それこそそういうことを言う人間こそ株の素人なんですよね。

失礼しました。


2010年1月25日(月)

<<前へ  次へ>>