| 中国の特殊部隊は非常に厳しいところです。映画ランボーを見たことがある人であれば
 想像がつくかもしれませんが、
 アメリカで言えばグリーンベレーにあたり、
 普通の人には想像を絶する兵役をするところです。
 彼と話すと、「苦しみに耐えるのは訓練されています。
 まだ軍隊から出たばかりで世の中が良くわかりませんから
 一生懸命勉強するつもりです。
 将来の夢は4スターホテルの経営をすることです。」
 と言う答えでした。
 私は、もう少し年齢が高く落ち着いた人間を雇うつもりでしたが、彼の落ち着きと気がつくところを気に入り
 仮採用の通知をだしました。
 特殊部隊出身ということで少し驚いたのでしたが、本格的に驚いたのはそれからでした。
 何に驚いたかと言えば・・・運転のへたくそさでした。数年の運転歴があるというので安心していたのですが、
 (いや、最大の失敗は
 最終面接で運転をさせなかった私にあるのですが)
 運転の下手さが人並み外れていました。
 具体的には、廻りの車を全く見ずに運転するのです。横から車が出てこようと、
 車線変更の車が出ようとお構いなしで進み、
 相手がよけるのを待つというか、怖がってよけるまで近づくのです。
 これにはさすがに私も腰を抜かし、かなり厳しく注意をしました。後で、人事部のマネージャーに事情を聞くと、
 「ジンゾン(金社長という意)。
 私もおかしいなと思って聞いてみたら、
 実は、彼は砂漠しか運転したことがないそうです。
 一般公道を走ったことがほとんどないそうです。」
 「・・・。」 そんなことってあるか!?という言葉が口から出そうになりました。 |