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121. 愛する人のために東京ディズニーランドに行かない

先日日本に出張に行きました。
私が関わっている、中国から日本に向けた
研修生派遣事業の日本受け入れ側企業と研修生たちに会うためです。

幸いなことに、成都から送り出された研修生たちは、
受け入れ企業側の評判もすこぶる良く、
そして何より本人たちも明るく元気に過ごしている様子で
とても安心しました。

合計5社ほどを訪問しましたが、
そのうちの一社の人事部長さんが見学中に私の耳に顔を寄せると
そっとこんな話を教えてくれました。

“研修生たちは、毎日近くの駅から
自転車に乗って会社にくるんです。
その時、毎日東京ディズニーランドの横を通ってきます。
時には、夜の綺麗な花火も見ているはずです。
だから、私はある日彼らに、
「なあ、せっかく日本に来ているんだから、
ディズニーランドぐらい行ったらどうだ。」と言ったんです。
そしたらそっけない反応で「行きません。」と答えるんです。
ああ、もしかしたらお金がないのかな、と思い
しばらくそっとしておきましたが、
それでもやっぱり1回ぐらいは無理してでも行くべきだろうと思い、
お節介にもまた勧めたんです。
そしたら研修生たちは少し間をおいてこう答えたんです。
「私たちは中国に家族や子供をおいて来ています。
愛する人が遠くにいるのに
自分たちだけが楽しい思いをするわけにはいきません。」と。”

その人事部長さんはしばし言葉を失ったそうです。

実を言えば、私も話の途中で「どうせお金がもったいないんだろ。」
と軽々しくこの話を聞いていました。

愛する人のために自分の楽しみを我慢する。

研修生の生き方にとても考えさせられました。


2009年7月20日(月)

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