| 少し前にこのコラムで「ビールを造ってくれる人いませんか?」と募集をしましたが、実は、できちゃいました、ビール。
 自分で言うのもなんですが、日本人の目から見てもおいしいビールになりました。
 作り手を探すのが一苦労でしたが、ドイツに留学経験もあるマイスターを(運のいいことに)探し当て、
 口説き落としました。
 醸造期間を20日に設定しましたので、ピカピカの設備が届いた後、
 まずは簡単な手入れと大きなステンレスの筒の内側に
 特殊な保護処理をしてビールを作り始めた時は、
 20日が待ち切れなかったものです。
 15日目にあまりに待ちきれなくて少しだけ試飲した時、「あ〜、こりゃいけるわ。」と思いました。
 マイスターいわく「あと5日でもっと美味しくなりますよ。」
 とのことでしたので、さらに期待して待ちました。
 20日を過ぎてからは、親しい友人たちにビールを振る舞い、改めて顧客の反応を確認しました。間違いありませんでした。
 “おいしいビールができた” 悩ましかったのは、(いつものことですが)値段の設定でした。成都には、ケンピンスキーというホテルの一回に、
 「ポラーナ」というドイツビール専門店が1件
 (唯一おいしいビールが飲める場所として)あります。
 しかしまあ、そこのビールの高さと言ったら、
 東京のTHB(トウキョーハーバーブルワリー)
 ぐらい高い値段で、私も一回しか行ったことがありません。
 それぐらい高いのです。
 そこで、友人や社内の人間の意見を聞きながら、そして、自分が消費者として受け入れられる価格をじっくりと考えて、
 その「ポラーナ」の半額に設定しました。
 私はいつもそうですが、価格設定をするときには、あまりコストを見ません。
 あくまで一顧客として
 「これぐらいのうまさのものだったらいくら出せるかな〜?」
 という皮膚感覚で決めます。
 だから、時に、やたらと原価率の高い商品ができたり、
 逆に利益率の高い商品ができたりします。
 話が飛ぶようですが、最近、私の仕事の使命は「中国への新しい食文化の紹介」じゃないかなと思うことがあります。
 そして、私の周りの友人たちも、
 私が日本や他国のおいしいものを紹介するたびに
 とても喜んでくれるのを見て、私も幸せに感じます。
 今回のビールをその友人たちとお客さんの顔を見て、
 「幸せだな〜」と感じています。
 どうぞおいしいビールを私と一緒に飲みに来てください。一緒に付き合いますよ。
 
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