最初に聞いたときは、ちょっと笑っちゃったんですが、
うちの焼肉屋が真似されました。
うちの焼肉屋の名前は
「牛牛福(にゅうにゅうふ〜):三国焼肉」といいます。
この三国というのは、日本・中国・韓国のことですが、
それには考えがあってのことです。
大雑把に言うと、日本は戦前まではあまり牛肉を食べませんでした。
それが、1950年以降、アメリカGHQの影響と、
韓国から大量にやってきた韓国人によってもたらされたのが
日本の焼肉のはじまりと言われています。
そして、その後数十年の時間をかけて、
ゆっくりゆっくりと日本式の焼肉に変化し、
今では韓国の焼肉と日本の焼肉は、かなり遠いものになりました。
これと似たようなことが、中国でも起こるだろうと私は考えました。
だからまだ見ぬ新しい中国式の焼肉屋スタイルが完成するまで、
日本と韓国、そして中国の食文化を少しずつ取り入れながら
「新中国式焼肉」の完成を目指そう、
というのが私が考えた三国焼肉という出発点です。
そして、最近成都に2件ほど立て続けに
この「三国焼肉」という店ができました。
従業員に聞くところによると、宣伝文句まで瓜二つであり、
店を見に行くと店舗の外に使われている写真まで
ご丁寧にそっくりに仕上げてありました。
しかしながら、私の目には、店に入るまでもなく、
表面や宣伝文句だけを真似ただけに過ぎないことがわかりました。
念のため、入って一品だけ注文してみると、
メニューの写真と実物が恐ろしく異なるので、
ちょっと文句を言ってみましたが、
「お客さんにはそう見えるかもしれませんが、
私にはまったく同じに見えます。」
とウェイトレスに逆襲され、苦笑して食べることにしました。
皆様にレポートするまでもなく、最低の味でしたが、
いやはや、私も人様に真似されるまでになったかと、
自分を冗談半分に励まし、
そして表面だけ真似てもまったく意味がないことをわかっていない
この経営者を軽く哀れみながらその店をあとにしました。
ディテールが大事なんだよサービス業は
しかし、もしお客さんがあんな店とうちをごちゃまぜに考えたら
迷惑な話だな〜。
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