| 今週は貧乏の話をしたいと思います。貧乏自慢をさせたら私もなかなかのものです。
 26歳で中国留学から帰ってきた私の個人総資産額は3000円でした。 子供の頃、私は一通りの贅沢をさせてもらいました。長男で親戚も多かったことから、お年玉もたっぷりもらって、
 20歳のころには、数百万の預金残高があったものです。
 それが、持ち前の計画性のなさと、留学ばかりを繰り返す生活でどんどんなくなり、
 ついには、3000円になったわけです。
 そもそも、私は自分の計画性のなさをまったく悪いと思ってなかったし、
 行き当たりばったりな人生を粋なものとらえていたのです、以前は。
 中国の大連留学から帰国する際も、「さあ1年たったから帰国しよう。」と思ったはいいが、
 財布には、人民元200元(3000円)しかなく、
 韓国までいくフェリーのチケットも買えなかったぐらいです。
 その後、テニスを教えて小銭を稼いで、いき絶え絶えになりながら、
 韓国につき、親父のクレジットカードで現金を引き出し、
 航空券を買って日本に帰ったのです。
 日本について、早速銀行にいってみると、銀行残高3000円。それ以外のお金はまったくなかったのです。
 おかげで、当時3300円した散髪もできなくて、弟に髪をバリカンでかってもらったことを今でも忘れません。
 貧乏サンカクといって、貧乏をすると3つものを欠くという言い方があるようです。
 1.義理を欠く2.人情を欠く
 3.恥を欠く
 の3つだそうですが、その3000円しかなかった当時、大親友の一人から電話がかかり、
 「結婚式、ぜひ出てくれよ。」と声がかかり、
 「おー、そりゃいいね。絶対でるから。」
 と威勢よく電話を切った後、
 お祝儀が払えないことに気づき、泣く泣く
 「いやー、実はな〜、その日どうしても出席できなくて・・・」
 と電話を折り返したことがあります。
 その時の情けなさ、義理を欠く自分へのやりきれなさ、そして、金がないことの恥ずかしさ。
 いろいろな感情がおりまざって、とにかく嫌な思いをしたものです。
 “貧乏は恥ではない。貧乏を恥じることが恥なのだ。” というのが私の思うところですが、いやいや、それでも貧乏はやらないにこしたことはなさそうです。
 そんなことをふと考えている今週です。 |