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88. 「国家」買いませんか?

前回は、金融危機の影響で
国家が企業のように倒産や破綻をすることがあるかどうか?
そして、破綻国家が企業のように買収されるか、
という話でした。

結論としては、
おそらく国家が買収されるようなことはないと思っています。
そんなことあたりまえと言うかもしれませんが、
もしかしたら今おこっている金融危機が
これまで経験したことのないような結果をもたらすことだって
十分考えられるのです。

ただ、それでも国家間のM&Aがおきないだろうと考えているのは、
その商品(=国家)には流通性がない、
つまり、市場が存在しないということが理由です。

市場がない、流通していないということは、
いかに大金持ち(国家)がいても、いかに安い国があっても、
取引できないということです。

もちろん、例外はあります。

そもそも取引とはバーター、つまり物々交換です。
取引市場がなくても、
魚とパンを交換したい二人がたまたまいれば取引は成立します。

これが国家に当てはまるか?

うーん。

もしかしたら、そんなこともあるかもしれません、
と考えていたところに、知人から
「マッキンゼーの『中国経済、2009年の7つのサプライズ』見た?」
と聞かれて、早速見てみたところ、その中の2番目に

2)メキシコ全体を50年間借り上げる、
  つまり租借地にして、そこで中国製品を作り米国に売り込む。

というのがあり、
国を買わなくても実際は、
こんなことが起こることもあるだろうなとは思います。

金融危機からはじまって、国家の危機を語る。
私ひとりがここでこんなことをつぶやいても
もちろん何も始まらないですが、
そもそも、国家という概念自体、人間が作り上げたものですし、
同様に、資本主義も1つのイデオロギーです。
人間が考えたものである以上、
そのシステムの限界がくるのは自然の摂理としてはあたりまえです。

なにも映画みたいなに世界が破綻するなんていってません。
ただ、大きな変化が訪れるかも知れないし、
そのために柔軟な考え方を頭の中に保っておかないといけないな、
と考えています。


2008年11月24日(月)

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