私が書くまでもなく、昨今は金融危機の話でもちきりです。
株ももう底値だろうとおもえば、なんどもなんども更に下がり、
邱先生をして、
「私も経験したことがありません。」と言わしめるほどです。
先生も10年前に
アメリカでこのようなことが起こると予想されていましたが
(こんなことを予想した人を、私は邱先生以外に知りませんが)、
引き金になったサブプライムローン問題について、
私は今回のコラムのテーマに書いたとおり、
これは金融界のダンボール肉まん事件だと考えています。
日本のバブル崩壊とアメリカのサブプライムで起きたことは、
ローン評価をいいかげんにしたことや、
不動産価格が
いつまでも上がり続けるという思い込みという意味では同じですが、
本質的に違うことが1つあります。
日本のバブル崩壊は、
基本的には銀行および金融業界が
自分のミスを自分でかぶったかたちです。
一方、アメリカでは、
ほとんど審査されなかったいい加減なローン債権が
金融機関で即座に取引され次々と人手に渡り、
挙句の果てにはその債権の集合体がファンドに組み込まれ、
そしてデリバティブといった金融商品化されることで、
加速度的にそのリスクが高まったのです。
波及効果として世界中の金融機関に影響がおよんだのです。
言い換えると、
日本は悪いものを食べて下痢をして
自分が10年々も苦しんだことに比べ、
アメリカは自分が下痢するだけでなく、
他人にも下痢させているのです。
(下品な例ですみません)
不動産債権という
立派な名前をしたゴミくず債権が人手を渡るたびに
さらに表面上の信用度をまして売買されていく様子は、
ダンボール肉まんが
「安くておいしい。」という評判が理由で
次々と売られていくようなものです。
今後の流れを正確に予測できる人などいるわけはありませんが、
私はこんな空想をしています。
銀行や証券会社が破綻するだけで済むうちはまだ可愛いのですが、
アイスランドのように
金融機関の集合体の周りに30万程度の人口がくっついて
「国家」と呼ばれるようなところの実態は、
金融機関の破綻は国家の破綻となるはずです。
破綻した国家の行く末は、
企業の破綻と行く末と大きくかわることはないと思います。
1)破綻直前に政府の資金支援をうける
2)破綻直前に政府とはことなる公的機関の支援を受ける ⇒
3)株価が十分低くなったところで、他企業の買収される
4)完全に清算(倒産)され消滅する
1)はアメリカで、
2)は以前韓国ですでに起きています。
2)の変化形として今アイスランドが考えているのは、
ユーロ圏への通貨統合です。
これは、企業レベルで言えば、体力の弱まった保険会社が、
AIGのような保険グループに参加するようなものです。
4)は、当面、国が消滅することは、なんとか避けるでしょうから、
恐らく起きないと考えられます。
問題は、3)が起こるかどうか?
金で金をうむような行為が生み出したこの金融危機で、
その金の力にまかせた
国家間のM&A(売買収)がはじまるかもしれないなと、
空想をしています。
実際は、国家を金で売買することは起こらないだろうし、
出来ないはずですが・・・(続く)
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