商売は自分との戦いであり、市場との恋愛です。
レストランの本質を考え、自分との戦いをはじめるにあたり、
"今"を再確認することにしました。
実を言うと、今回焼肉店を始めた場所は、
レストランにとってはかなり不利な場所のようでした。
成都の消費者にはいくつかの特徴がありますが、
その中に「レストランの集まる場所に行く」という
他地域とくらべても非常に強い傾向があります。
その意味からすると、われわれがOPENした場所は周りに何もなく
かつ大通りから見えない場所に位置しており、
成都の消費者が集まるとは言いづらい場所にありました。
このことを私にひしひしと感じさせたのは、
工事を終えたばかりの内装会社の社長が私に言った言葉でした。
「いや、キムさん。私も商売だから発注を受ければ何でもやるけど、
この場所でレストランをやるのはきついんじゃないの。
もしここで商売が立ち上がったら本物だよ。」
となんとも気持ちの悪い言葉を発して去っていきました。
"場所が悪い"
このことがOPEN後に重くそして脳裏にこびりついていったのでした。
前述のとおり売上不振が何日も続くと、
そのうち、従業員もそのことばかりを口にするようになっていました。
しかし、「必ず復活してやる!」と誓ったその日、
「これではいかん。
従業員まで悲観的なことを口にするようになるのは、間違いなく経営者が悪い。」
と思いなおし、自分の気持ちを引き締める意味で
次の「戦いの3原則」を心に刻みました。
戦いの原則1:「言い訳をしない。今を認め改善する」
商売がきつい状況に陥ると、経営者はありとあらゆる負の要素を持ち出して
自分の商売が悪いことを説明しようとする。
しかし経営に"だからしょうがない"と言う言葉はない。
今を認め、弱みを強みに転換する努力をする。
そもそも経営とは、問題の連続であり、
それを"どうにかする(manage)"のが経営(management)の姿。
戦いの原則2:「完全を目指す」
マラソン42.195kmの勝敗を決定するのは、ゴール前最後の一周であることが多い。
最後まで気を緩めず走りきることで初めて勝利を手にすることができる。
詰めがもっとも大切。
戦いの原則3:「顧客をとことん喜ばす」
顧客の喜びの大きさが、財布の空き具合を決定する。
利益とは顧客の喜びの総体である。
この3原則を胸にレストランビジネスの原則を考えていったのです。
そして私なりにたどりついたレストランビジネスの原則とは実にシンプルなものでした。
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