「なぜお客さまがうちに来てくれるのか。なぜあなたはあの店を選ぶのか?」
これに、答えればいいだけのはずです。
お客さんが店を選ぶ際、自分でも明確に意識していないポイントというのが必ずあるものです。しかもそれは決して複雑な話ではないのです。
・ 家から近い
・ おいしい
・ 子供が座れる畳がある
・ 接客がいい
・ 友達においしいと言われた
・ 安い
・ 割引をやっている
・ インテリアがきれい、特別。
・ 質がいい
・ 会員カードを持っている
・ 等々
例を挙げればきりがないですが、
この中で実際に大切な要素というのは数点しかないはずです。
それをはっと思いついたのは忘れもしないオープンの日、
邱先生の奥様がいらっしゃった時、食後におっしゃった言葉でした。
「きむさん、おいしかったわ。レストランはね、おいしいものをださなきゃだめよ。」
「レストランはおいしいものをださなきゃだめよ!」
レストラン経営者にとっては、
あまりに単純なこの言葉におもわず首をひねる人もいるかもしれません。
でも、もしレストランを経営されている方であればこんな風に確認してみてください。
自分の店のメニューブックを開いて、すべての料理の味を一つ一つ思い浮かべてください。
「すべての料理の味に対して、心から自分でおいしいと思える。」
という自信があるでしょうか?
レストランはおいしいものを出す。
味がひとつの原則であることに疑いありません。
この点をベースに考えを広げていきました。
そしてレストランにおけるお客さんの満足(=顧客満足)がどこからくるかということを
改めて確認すると
味(Quality)×サービス(Service)×内装衛生などの環境(Cleanliness)
顧客満足 = --------------------------------------------------------------
価格(Price)
結局、突き詰めて考えると顧客満足は、
よく言われるQSCの水準とそれをいくらで提供するのか?
という価格とのバランスで決まるのです。
これが、顧客満足の原則的な方程式です。
つまり、レストランビジネスのツボのはずです。
しかしこの原則に照らし合わせて成都の繁盛店を思い起こしてみると、
どうも原則に当てはまらない店が多いのです。
「まだ足りないな。」
私はもう一度目をつぶって考えることにしました。
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