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24. そしてオープン

「社長すみません。たった今従業員が8人同時に止めました・・・。」
「8人!?」
「とにかく何があったのか説明して。」

店長の説明はこうでした。
わが社では競争的な環境を作るために
パフォーマンスの良いAランクの社員にはかなり高い給与水準を設定していました。
その結果何が起きたかというと、
「自分はパフォーマンスが高い。」と自分で思い込んだ、
思い上がり社員ばかりが集まってしまったのです。
そう、全員が「自分は最高にできる。」と固く信じていたのです。

一方会社では、試用期間を設けて従業員をふるいにかける時間を確保していました。
店長が犯したミスは、試用期間のかなり早い時期に、
従業員からの「早く自分たちを評価してください。」というプレッシャーに負けて、
人事評価をしてしまったのです。
結果、Aランクの社員はゼロ、Bランクがかろうじて2人という結果になったのです。
この評価自体は正しかったのですが、
自分はAランクだと固く信じていた社員がCランクの通知を受け取ったとき、
「この会社はAランクの俺を低く評価して不当に安く使おうとしている。」
という間違った理解をしたのです。

なにも評価をオープン前日にやる必要はないのですが、
「早く(高い)評価をしてくれ。」という従業員の声に負けたのでしょう。
事情を理解した私は気を取り直して、
「状況は理解できた。で、明日のオープンは問題なくできるのか?」と聞くと、
「なんとかまわせると思いますが。圧倒的に人が少ないです。」と。
そこで、当時ボウリング場を兼務していた私は、
「では、オフィス部門の人間とボウリング場の人材をかき集めて送るから、
明日必要最低限のトレーニングだけしておくように。」という指示を出しました。

さて、オープンの朝、前夜の事件を気に留めることなく、すがすがしい朝を迎えました。
内装工事を終えたばかりの店内に立ち、
「あー、これから牛牛福の歴史が始まる。」と感慨にふけりました。

邱先生を迎えたオープニング。
ふたを開ければ、あふれんばかりの人だかりでした。
いや、実際に人があふれて店の外まで行列ができていました。
「嬉しかったですね。」
最高の達成感でその日の夜を迎えました。
成都に来て以来一番嬉しい日でした。


2007年9月3日(月) <<前へ  次へ>>