中国で事業をやった方の苦労話には話を欠きませんので、
いまさら私の苦労話や困難をだらだらとご紹介さしあげるつもりはありません。
ただ、そうはいっても本当に困難が絶えないものです。
まあ、私自身のストレス発散のつもりで少しだけお話すると・・・。
まずは、会社設立の瞬間からその困難ははじまりました。
わが社は中国国内においては外資系企業となります。
ゼロからの設立でしたので、最初はその実態がありませんでした。
ちょっと細かい話になりますが、中国で飲食店を行うには、
簡単に言うと、衛生許可書と営業許可書というものが必要です。
一つ目の衛生許可証がないとその後の営業許可証というものは取れないのです。
そして、飲食店において衛生許可書を獲得するには
内装工事および厨房工事を行い、
厨房を完成させた後に検査をうけることが許可証取得の条件になります。
その後、晴れて営業許可書の取得、
会社設立の手続きおよび資本金の注入となります。
「!?」おかしいと思いませんか?
誰が考えても当たり前ですが、会社がまだ設立できてないわけですから、
当然資本金はまだ口座に入っていません。
したがって内装工事をスタートする工事費などはないわけです。
でも、その工事が完成しないと
資本金を入れるための会社設立が成り立たないというわけです。
会社をつくらないと資本金が入れられない、資本金がないと会社が作れない。
そんな馬鹿な?と言われそうですが、
わが社の設立時に一番最初に頭を抱えたのがこの問題でした。
中国で頭を痛めるのはこんなもんではありません。
いざ資本金が到着し、明日大きな支払いがあるというその日に、
銀行から「システムの都合でいまお金が動かせない。」
という信じられないような対応をされたり、
店内で利用するガス供給システムにLPGを当初より検討しており、
再三にわたり消防局側にその案を提出し確認をとっていたにも関わらず、
突如、それがダメだといわれたり、とにかく心臓に悪いことばかり起こるのです。
特に、上記のガスの問題が起きたのは、私の誕生日であったことから、
その日の夜よく眠れなかったことをいまだに鮮明に記憶しています。
そして、困難が起きると短期的にはいつもへこたれるものです。
しかし、困難が起きると私はいつも次の話を思い起こすことにしています。
誰が言ったのか、どこで読んだのかよく覚えていませんが、
「飛行機が離陸するときには正面からの強い風が必要となります。
飛行機は正面からの風と翼を利用して上昇のための揚力に変えるのです。
凧が空高くあがるのも原理は一緒です。」
という話です。
同じように、事業もスピードを高め空高く飛ぼうとすると、
正面からの逆風が必要で、それをうまく活かして飛び上がるのです。
だから、困難は成功のために絶対に必要な要素なのです。
困難にぶち当たるたびに、「よしよし成功に近づいているぞ。」とつぶやくことにしています。
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