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6. 成功の都の印象

昆明での睡眠不足から飛行機の中での記憶はあまりありません、
気づくとすでに成都の空港でした。
飛行機から足を成都に踏み入れ、空港のビルにはいったところに
成都地区のボスである王さんがにこやかな顔でたっていました。
機体から出たばかりの場所で普通の人は入れないはずのそこに立つ王さんと黎さんの姿に、
昆明とは異なるグループの力をすでに感じていました。

余談ですが、聞くところでは、数年前までは、
機体の真横まで黒塗りのベンツが横付けして先生をお迎えに来ていたそうです。
しかし、これではあまりに露骨だと感じた先生が
「もういいから普通に向かえにくるだけでいい。」
といったとか言わなかったとか・・・。
(本当かどうか先生に尋ねたことはありませんが…。)

荷物をとり最終カウンターを抜けると、そこには、10人近くの人が待ち受けていてくれました。
私は、まだ先生のお客さんということで、ベンツの助手席に乗るよう勧められ、
少し緊張しながら街を眺めました。
後ろの席には、邱先生と王さんが台湾語で話していたのが印象的でした。

こんな大歓迎を受けるとは思っても見なかった私は、
なんとまるで学生のような格好のジーンズとラフなシャツで恥ずかしい思いをしました。
そして、追い討ちをかけるように、到着した成都のシェラトンの入り口では、
ホテルのスイス人の総支配人が邱先生を出迎え、記念撮影も行われました。
昆明で一仕事終え、ちょっとぼっとしていた自分が馬鹿でした。
部屋にチェックインすると早速スーツに着替えなおし、食事に出かけることになりました。

おいしい料理に舌鼓を打ちながら、
初めて来た成都と初めて出会う成都人を観察しながら、
他の地域と異なる雰囲気を感じました。
人のあたりが柔らかいのです。
中国に来たことがある人であればご存知の通り、
今の中国のサービスレベルはかなり低いのですが、それは単なる技術的なものではなく、
人間ひとりひとりの他人に対する意識に根本的な原因があります。

その意味で、成都人のあたりの柔らかさは非常に意外で、
「ここだったら、ホテル業のようなサービス業もいいものができるかも。」と感じたのでした。

そして、その後見学した、市の中心にあるイトーヨーカドー付近の様子を見て、
すでに私の心は結論を出しているようでした。

成都に入った一日目の夜には、私の心はほぼ決まっていました。


2007年4月30日(月) <<前へ  次へ>>