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27.人事はフォーメーション、人事はキャスティング
私は大学を卒業後、長年プレーしていたアイスホッケーで、
小中学生のコーチをしてみないかというお話をいただきました。

コーチをしたことはなく、人に教えるなんて自分にはできるのか、
と疑問に思いつつも、
興味もありやってみる事にしました。
コーチとして子供に教える事はとても楽しく、
やりがいを感じていました。

そして試合をすることになり、
いざフォーメーションを決める時に時間は起きました。
ある一人の子供が自分のもとに来て、
「コーチ、〜君とは組みたくありません」、
また別の子が、「コーチ、ポジションを変えてください」、
最後には子供の親がやって来て
「どうしてうちの子とあの子が一緒なんですか!?
変えてください!」
といろいろな不満や反発が一斉に私のもとに来て、
私は頭を抱えてしまいました。

私は子供は皆一様に幼気で純粋で素直なもの、と思っていたのに、
実際は彼らの中にも様々な人間関係があって、
その中で皆必死にプレーしていたのです。
もちろんスポーツの世界は実力社会だから、
その時は周りの声に振り回されつつも、
自分の考えうるベストのフォーメーションを作りました。

中国で仕事をするようになり、
同じような事がたくさんありました。
不満や反発はしょっちゅう耳にします。
そして、その度にコーチ時代の事を思い出します。

不満や反発は、皆実力社会の中で
必死に仕事をしているから生まれるものだと思います。
自分が仕事を任される際に、自分で決めたスタッフを雇い、
彼らを中心として仕事をしてきました。
いろいろな問題が発生しても、
そのことで彼らが欠ける事があってはいけないと思うし、
彼らを信じて、問題がある時は
自分が全て責任をとるつもりで挑まなければいけないと思いました。

スポーツの世界では監督がチームを移籍する際に、
自分のお気に入りの選手を一緒に移籍させることがあります。
また映画の世界でも
監督がお気に入りの俳優を自分の多くの作品に登場させます。
彼らは互いに熟知して、何を望んでいるかを知っています。
長年の信頼関係から生まれる必然的な行動だと思います。
今自分が監督として、
選手たちとどのような戦いができるかをいつも考えています。
できることなら弱小チームではなく最強チームにしたいですね。


2009年7月22日

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