没办法という言葉があります。
発音はめいばんふぁー。
方法がないという意味です。
私は上海に来てからどれだけこの言葉を聞いたかわかりません。
この言葉は街のいたるところに溢れています。
「もう売り切れましたので没办法です。」
「今日は間に合いませんでしたので没办法です。」
「それは私にはできませんので没办法です。」
初めはこの言葉を聞くたびに腹を立てる事もありましたが、
最近は没办法と言われる事に残念な気持ちになります。
この言葉はある意味印籠のようなもので、
全く納得できないことでも、これを言われると、
もうこちらがあきらめるしかない、いうことになります。
逆に没办法を使う場合、
これを言えば簡単にあきらめてもらえるということになります。
中国人のなかでもこの言葉を使う事が口癖になってしまい、
自分の仕事の範疇を少しでも超える要求があれば、
それは即、没办法となります。
自分が仕事をするにあたって、この言葉を使わない、使わせない。
ということをモットーにしてきました。
自分たちの出来る限りの対応をしようと思いました。
せめて最善を尽くして、それでも本当に方法がない時こそ、
没办法を使おうと思ったのです。
街のあらゆるサービス業の中で、
毎日のようにひたすら聞き続ける、
この「めいばんふぁー」を少しでも解決できたら、
日本のような優れたサービスの備わった
すばらしい環境になれるのではないかと思います。
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