■柳田洋・北京からの画像便り No.411
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フランス月餅
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農暦(のんりー、旧暦)の8月15日、
新暦では今年は9月22日が中秋節です。
中国では中秋節の前に、親しい人や
取引先に月餅(ゆえびん)を贈る習慣があり、
今年もたくさんの月餅が売り出されました。
伝統的な月餅は小豆や棗の甘い餡子が
生地の中にぎっしりと詰まっており、
1つ食べるだけで「もういいや」と
なってしまいそうなしつこい味のものです。
このため、最初のうちは「今年もまた
中秋節の季節になったんだねぇ」と
喜んで食べてもらえるのですが、
何度も同じ餡子の月餅が贈られると、
「またか...」とうんざりされ、
せっかくの贈り物を喜んでもらえません。
こうした問題を解決するために、近年は
スターバックスがコーヒー月餅を出したり、
ハーゲンダッツがアイスクリーム月餅を
発売したりして、各社とも新商品の開発に
余念がありません。
写真は味多美(うぇいどぅおめい)という
クッキーやケーキ、パンを
販売するチェーン店が出した
フランス月餅のポスターです。
青はブルーベリー、白はチーズ、
赤はイチゴという西洋風の餡子であり、
青白赤でフランスの国旗の色を表現しています。
「(中国と西洋の)Fusion、美食に国境無し」
というコピーが踊ります。
中国の贈り物マーケットは巨大ですが、
従来の「何しろ値段が高そうなものを贈る」から
最近は「贈られた人が喜びそうなものを贈る」
という方向に質的に
成熟しつつあるように感じます。
撮影日:2010年8月30日(月)
撮影:柳田洋
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