■柳田洋・北京からの画像便り No.410 ■




金とダイヤモンド

北京市内の宝飾品マーケットの入り口に
展示されていた金とダイヤモンドの山です。

上の写真の金の延べ棒の山は、
総額2億6,000万元(32億5,000万円)、
下の写真のダイヤモンドの山は、
総額1億元(12億5,000万円)、
両方合わせて3億6,000万元(45億円)也、
とのことです。

日本のバブル経済期を思わせるような
何ともバブリーな展示ですが、
中国のお金持ちが
金とダイヤモンドを好んで買うのは、
それが消費ではなく、投資だからです。

中国では不動産価格の高騰により、
たくさんの地王(でぃーわん、土地成金)が生まれました。
しかし、今の中国には、
日本のバブル経済期のような
稼いだおカネを湯水のように消費する
浮ついた雰囲気はありません。

もちろん、高級クラブに行って、
「ロマコンのピンドン割り」を飲む人もいません。
中国では今、ボルドーの最高級ワイン、
拉菲(らーふぇい、シャトー・ラフィット・
ロートシルト)が大人気ですが、
これも自分で飲む、というよりは、
値上がり期待の投資目的、
という部分が大きそうです。
中国の地王は、日本の土地成金よりも
ずっと堅実なのです。

中国共産党も人民元も不動産も
全く信用しておらず、
常に「何をされるかわからない」という
危機感の中にいる中国のお金持ちにとっては、
稼いだおカネを消費に使ってしまうことなど
自殺行為に他なりません。
稼いだおカネは再投資に回す。
そして、再投資して稼げるだけ稼いだおカネを、
イザというときに持って逃げられる
金やダイヤモンドに換えておくことは、
彼らにとって非常に合理的な選択なのです。

撮影日:2010年8月30日(月)
撮影:柳田洋


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