■柳田洋・北京からの画像便り No.400
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中国語版「1Q84」
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私のオフィスの近くのバス停の看板にあった
村上春樹さんの小説、
「1Q84」の中国語版の広告です。
宣伝文句には、
「日本語版は発売12日で100万部突破!」
と書いてあります。
村上春樹さんの小説は、中国でも大人気で
たくさんのファンがいます。
高度経済成長が続く中、
「金持ちになること=幸せになること」という
単純な比例関係の価値観に疑問を抱いた
いわゆる「80后(ぱーりんほう、1980年以降生まれ)」
の若者たちが、村上作品の主人公が感じる
孤独感や虚無感に共感を覚えているようです。
日本は今、空前の出版不況に見舞われています。
出版点数は増えているのに、本は売れず、
文章がコモディティのように消費されています。
しかし、村上作品に限らず、
日本にはすばらしい本がたくさんあります。
出版は中国政府の情報統制の対象でもあり、
中国ビジネスの中でも
非常に難しい分野の1つではありますが、
中国共産党を批判するような内容でなければ、
地元の出版社と組んで
日本の本の中国語版を出版することは、
それほど難しいことではないのではないか、と思います。
今持っているコンテンツという資産を生かし、
日本の本の中国語版を出版することは、
日本の出版業界にとって出版不況を吹き飛ばす、
逆転ホームランとなるのではないでしょうか。
撮影日:2010年6月19日(土)
撮影:柳田洋
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