■柳田洋・北京からの画像便り No.397 ■


タクシーのカーナビ
先日、タクシーに乗ったところ、
写真のようなカーナビが
取り付けられていました。
フロントガラスに吸盤でくっ付ける
簡易式のものですが、
画面を見ていると結構な精度で、
今、走っている場所を表示していました。
これは大変良い傾向だと私は思いました。
なぜなら、最近の北京の
タクシーの運転手さんは、
本当に道を知らないからです。

先日乗ったタクシーの運転手さんは、
「国貿(ぐおまお)」が
どこにあるか知りませんでした。
「国貿(国際貿易センター)」と言えば、
北京の経済の中心地・
CBD(Central Business District)
のランドマーク的存在。
それを知らない、というのは、
東京のタクシーの運転手さんが
東京タワーがどこにあるか知らないぐらいすごいことです。
以前の北京のタクシーの運転手さんは
みんなプロでした。
北京の主要なビルを知っているのは当たり前。
黙っていても渋滞しない
最短距離のコースを選んで走ってくれたものでした。
それが、どうしてこんな
シロウトみたいな運転手さんが増えているのか、というと、
昨日まで農民や工員をやってました、という人が
大量にタクシーの運転手になっているからのようです。

タクシーの運転手は
座りっぱなしの長時間労働で
体力的に厳しい仕事である割には、
平均月収は、2000−3000元(28,000-42,000円)と
それほど高くはないのですが、
それでも農民や工員をやっているよりは
高収入ですので、転職する人が多いようです。

シロウトの運転手さんに北京の道を
全部覚えろとは言いません。
しかし、カーナビの力を借りてもよいので、
せめて「国貿」ぐらいは、目的地を言うだけで
到達できるようにしてほしい、と思います。

撮影日2010年5月22日(土)
撮影:柳田洋


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