■柳田洋・北京からの画像便り No.396 ■


山東省威海のマンション
最近、北京では山東省威海のマンションの
広告を見ることが増えてきました。
山東省威海は、山東半島の突端に近い街。
こう言っては威海の方に失礼ですが、
山東省の中でもそれほどメジャーな都市ではありません。
その威海のマンションが今、なぜ、
北京でこんなにも脚光を浴びているのか?
それは、北京のマンションの価格が
上がりすぎてしまい、威海のように
3000−4000元(42,000−56,000円)/uで
買える物件がなくなってしまったからであるようです。

また、中国政府は
北京の不動産価格高騰を抑えるために、
2軒目の不動産購入最低頭金を50%に引き上げたり、
3軒目以降の住宅ローンの
付与を禁止したりしましたので、
写真のコピーにあるように、
「首付2.8万起(頭金2.8万元(39万円)から)」
などという気軽な投資は
北京ではできなくなってしまったことも
北京の不動産投資家の目を
威海に向かわせることになっているようです。

更に、広告の写真のように
威海は海浜リゾート都市。
海浜リゾート都市といえば、昨年、海南島の
海口や三亜の不動産価格が暴騰しましたが、
二匹目のどじょうを狙う不動産開発業者が、
威海を第二の海南島に育てるべく、
不動産投資家を煽っている、という側面も
無きにしも非ずと思われます。
中国の不動産「投機家」にとっては、
マンションは資産を象徴する
記号でしかありませんので、
値上がりさえすれば、
どこにあろうが関係ありません。
威海のマンションは、
こうした「投機家」の思惑通り、
これからどんどん値上がりしていくのか。
どちらにしても、中国の不動産バブルは、
メジャー都市からマイナー都市に波及する、という
新たな局面を迎えているようです。
 

撮影日2010年5月22日(土)
撮影:柳田洋


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