■柳田洋・北京からの画像便り No.395
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KFCの油条
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肯徳基(けんだーじー、KFC)の新製品、
霜糖油条(しゃんたんようてぃあお)の広告です。
油条は練った小麦粉を棒状にして
油でサクサクに揚げた
中国の一般的な朝ごはんのメニューですが、
この霜糖油条は、そこに砂糖をふりかけた
ドーナツのような食べ物です。
この油条に限らず、中国の肯徳基には、
お粥や中国風スープなど、
中国人の従来の食習慣に合わせた
中国料理メニューがたくさんあります。
もちろん、中国の肯徳基にも、
看板商品であるフライドチキンや、
チキンフィレサンドもあるのですが、
メニューは現地化が進んでおり、
「永和大王(よんはーだーわん)」など
中国系ファストフードと
競合する部分もあります。
一方、麦当労(まいだんらお、マクドナルド)は、
お粥や油条などの中国料理メニューをほとんど出さず、
オリジナルのハンバーガー類のみで勝負をしています。
40年前から同社が日本でやっているように、
ハンバーガーを食べる文化のない国に、
ハンバーガー文化を根付かせるのを、
企業の使命と考えているように見えます。
市場に合わせる肯徳基と、
市場を開拓する麦当労。
今のところ、店舗数だけで見れば、
市場に合わせる肯徳基に
軍配が上がっているように見えますが、
今後、中国でも日本のように子供の頃、
ハンバーガーに慣れ親しんだ世代が
子を持つ親になれば、
麦当労が急速に追いついていく可能性もあります。
市場に合わせるのか、市場を開拓するのか。
これは肯徳基と麦当労だけの問題ではなく、
私たち中国でビジネスをする人全員が、
真剣に考えなくてはいけない問題なのです。
撮影日:2010年5月9日(日)
撮影:柳田洋
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