■柳田洋・北京からの画像便り No.379 ■


市政のお掃除隊
北京では今年初め大雪が降りました。
同時期としては観測記録が残る1951年以来、
最大の降雪量だったのだそうです。
また、寒波の襲来で温度もマイナス15度前後まで降下、
これもこの時期としては40年ぶりの低温だったのだそうです。
このため、降った雪がいつまで経っても融けず、
道を歩きにくい状態が続いていたのですが、
そうした問題を解決してくれたのが、
雪かきをしてくれている写真のお掃除隊のみなさんです。
彼らは「市政(しーぢょん)」と呼ばれる
北京市の公共設備の整備や
環境美化を行う部門から派遣されている方々です。
お掃除隊のみなさんは今回は雪かきをしていますが、
普段は道路の掃除やゴミ拾いをしています。
ゴミのポイ捨てが横行しているにも関わらず、
北京の街が比較的きれいに保たれているのは、
全て彼ら、市政のお掃除隊のみなさんのおかげです。
一昨年の北京オリンピックの前にも、
彼らは北京の街の大掃除で大活躍したそうです。
この市政のお掃除隊が北京の街の掃除をすることは、
大きな雇用を生み出すことにもなっているようです。
以前、ゴミのポイ捨てをした中国人の友人をたしなめたところ、
「みんながゴミをゴミ箱に捨てたら、掃除人が必要なくなって
失業者があふれちゃうだろ」と理不尽な反論をされ、
とんでもないヤツだと思ったことがあります。
しかし、冷静になって考えてみれば、
ゴミをポイ捨てした人が納税した税金で、
市政がお掃除隊を結成、失業者が掃除人としての職を得て、
ポイ捨てされたゴミを掃除する、
ということで世の中がうまく回っていくのであれば、
それはそれで良いのかな、とも思うようになりました。

撮影日2010年1月15日(金)
撮影:柳田洋


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