■柳田洋・北京からの画像便り No.378
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グーグル自主規制解除
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先々週、アメリカのインターネット検索最大手・グーグルが
「中国政府が情報統制を緩和しない限り、
中国事業からの撤退も辞さない」との方針を示しました。
そして、その後、グーグルは自社の検索エンジンの
自主規制を解除、今までは検索しても表示されなかった
天安門事件の写真や人権、反体制に関するサイトが
検索結果として表示されるようになった、との報道がありました。
そこで私は早速、グーグルチャイナを使って、
1989年6月4日に起こった天安門事件を示す「六四(りゅーすー)」と、
画像を示す「図片(とぅーぴぃえん)」というキーワードで
検索をしてみました。
そして出てきたのが写真の画像です。
「六四死人的照片(天安門事件の死人の写真)」とか、
「六四象征性的図片(天安門事件の象徴的な画像)」など、
今までは検索結果として表示され得なかった言葉が、
いくつも表示されていました。
ちなみに、自主規制を続ける
中国企業「百度(ばいどぅー)」の検索エンジンを使って
同じ「六四」、「図片」のキーワードで検索してみましたが、
天安門事件に関する検索結果は一つも出てきませんでした。
ただ、グーグルチャイナの検索結果として出てきたサイトをクリックして
天安門事件に関する画像を見ようと思っても、
中国政府が独自に行っているインターネット検閲の網に引っかかり、
表示されることはありませんでした。
グーグルが自主規制を解除して、
中国政府が禁止するサイトを検索結果に表示できるようにしても、
サイトへのアクセスは中国政府によって阻まれてしまいますし、
グーグルが中国事業から撤退しても、
ライバルの「百度」を利するだけで終わってしまいます。
グーグルの今回の中国政府に対する
勇気ある挑戦は賞賛に値しますが、
本気で中国政府に情報規制を緩和させたかったら、
真正面から対決するのではなく、
中国政府が無視をできない一般庶民の力を使って、
且つ、中国政府のメンツをつぶさないように、
実質的な情報規制の緩和を進めていくべきではなかったか、
と思います。
撮影日:2010年1月15日(金)
撮影:柳田洋
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