■柳田洋・北京からの画像便り No.377 ■


一皮剥けば...
私の家の近所にあった、
黒を基調にしたクールな外装のレストランが
とうとう潰れてしまいました。
先日、このレストランの取り壊しが始まったのですが、
このレストランをクールに見せていた
黒いパネルが取り外されると、
中から出てきたのは写真のようなレンガ、
それもいろいろな建材を適当に詰め込んだ、
素人目に見てもかなり雑な造りの内部構造でした。
北京の街には以前に比べるとずいぶん
デザインの良い建物が増えてきました。
しかし、このレストランに限らず、
一皮剥けばレンガを積み重ねただけの
雑な造りの建物も多いようです。
世界的な金融危機にも関わらず、
北京の不動産価格は上昇を続けていますが、
そうした高値で取り引きされているマンションも、
一皮剥けば、ものすごく安い建材で、
いい加減に作られているかもしれません。
しかし、私たち素人には、建物の内部構造まで
チェックすることはできませんので、
消費者は信用のできるデベロッパーの物件を
買うことぐらいしか、防衛手段がありません。
昨年も「楼倒倒(ろうだおだお、倒れた建物)」や、
「楼脆脆(ろうついつい、脆い建物)」が流行語になるなど、
中国では粗悪な建物の濫造が社会問題となっていますが、
中国不動産業界の健全な発展のためにも、
建物の内部構造をチェックして、
その建物の本当の価値を教えてくれる、
公的機関や専門家が
今の中国には必要なのではないかと思います。

撮影日2010年1月4日(月)
撮影:柳田洋


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