■柳田洋・北京からの画像便り No.364 ■


お風呂屋さん?
北京の三全公寓の向かい側で見つけた「湯」の看板。
日本人なら「お風呂屋さんか?」と思うところですが、
さにあらず。中国語で「湯(たん)」とはスープのこと。
そう、これはスープ屋さんなのでした。
ちなみに、中国のお風呂屋さんには、「湯」ではなく、
浴場の「浴」の字の看板が掲げられています。
日本語と中国語は両方とも漢字を使いますので、
話は通じなくても筆談をすれば、かなり高度な
コミュニケーションも取ることも可能です。
しかし、この例のように同じ漢字でも
意味が違う場合があるのでその点は注意が必要です。
例えば「放心」。
日本語では「会社から解雇を宣告されて放心状態に
なった」などというときに使いますが、
中国語で「放心(ふぁんしん)」は安心すること。
「会社解雇我、我現在放心状態」などと書いても、
中国人の人には「この人は解雇されたのに、
どうして安心しているんだろう?」と思われてしまいます。
またマージャンを打つのが大好きな日本人が、
「我愛打麻雀」などと書くと、中国の人から
「この人はなんて残酷な人なんだろう」と
思われてしまうかもしれません。
中国語でマージャンは「麻将(まーじゃん)」。
「麻雀(まーちゅえ)」はすずめですので、
「我愛打麻雀」は「私はすずめを叩くのが大好きです」
という意味になってしまいます。
元々中国で使われていた漢字が日本に伝わるまでに、
どうしてこんなに意味が変化してしまったのか、
というのはそれだけで1つの研究分野になりそうですが、
実際に漢字を使う私たちは、相手に誤解を与えないように
気をつける必要がありそうです。

撮影日:2009年10月12日(月)
撮影:柳田洋


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