■柳田洋・北京からの画像便り No.352 ■


王老吉
地下鉄で見つけた漢方茶飲料
「王老吉(わんらおじー)」の広告です。
この「王老吉」を販売しているのは
香港系の「加多宝(じゃーどぅおばお)」
という会社なのですが、
昨年5月の四川大地震の際に、
企業としては最高額の
1億元(14億円)をすばやく寄付、
感銘を受けた網民(わんみん、ネット市民)が
「王老吉」の買い占め運動を起こしたことで、
中国全土で有名になりました。
この「王老吉」の宣伝コピーは
「怕上火、喝王老吉
(ぱーしゃんふお、はーわんらおじー、
上火しそうになったら、王老吉を飲め)」
という極めて明快なものです。
上火(しゃんふお)とは、
私も中国に来て始めて知った概念なのですが、
暑い日が続いたり、辛いものを食べ過ぎたりすると、
体の中に熱が溜まり、ふきでものができたり、
体調がおかしくなったりする状態なのだそうです。
その火を取り去る、
即ち、去火(ちゅぃふお)するには、
苦瓜(くーぐわ、にがうり)を食べたり、
去火する漢方薬を処方してもらったり、
といろいろな方法があるのですが、
「「王老吉」ならお手軽に去火できますよ」
というのがこの漢方茶飲料のコンセプトです。
こうした明快なコンセプトのおかげもあり、
「王老吉」は中国では世界王者・コカ・コーラを
凌ぐ売上を上げています。
「王老吉」が「上火」という
中国の伝統的な健康概念と一緒に、
世界各国に輸出される日も
近いのではないでしょうか。

撮影日:2009年7月16日(木)
撮影:柳田洋


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